「おかあさんといっしょ」を子どもに見せなきゃ損する理由。

  2020.05.15

家庭

「おかあさんといっしょ」を子どもに見せなきゃ損する理由。

子どもはテレビアニメが好き

幼稚園や保育園に通うぐらいの子、3歳から5歳ぐらいの子どもが好きなテレビ番組は何でしょうか。

やっぱりアニメが好きなんですよね。アニメなら基本的に好きみたい。私がなんかおもしろいテレビやってないかな~とリモコンでチャンネルをいろいろ変えていると、ちょっとだけアニメが映ったりする。そんなときは違う遊びをしていた子も「あ、これにして!」って言ったりします。

絵であるだけで興味が惹かれるみたいです。うちの子はとくにアンパンマンが大好き。週一回の放送を楽しみにしています。

子どもが毎日見るテレビ

ところで、毎日子どもが日課のように見るテレビ番組もあります。

NHK教育。Eテレですね。いくつか幼児向けの番組があると思うんですが、昔からやっているのが「おかあさんといっしょ」。朝の幼稚園に行く前の時間、帰ってから夕飯になるまでの時間、再放送で1日2回放送されています。

私も働いているときは、見る時間なんてなかったし、そんなに保育に役立つことなんかないだろうと思っていました。ですが、最近、子どもが見ていることもあって、見る機会が増えました。

すると、意外といろんなことやっていて、実はちゃんと考えられているだなと思ったんです。

幼児教育のための高いDVDの教材とかもあるわけですけど、NHKは受信料を払っているとはいえ、「おかあさんといっしょ」を見たからってお金を払わなきゃいけないわけでもありません。

見なくても受信料は一緒。だから、これを見ていないのはすごく損しているんじゃないかと思ったり。

今回は、最近の「おかあさんといっしょ」でどんなことをやっているのかを書きたいと思います。

一週間ぐらい真剣に見てみると、かなり良い教材だとわかるんですね。ちょっと大げさかな。

オープニングの歌

出演者は歌のお兄さん、お姉さん、体操のお兄さん、お姉さんの4人。24分間の番組。

「おかあさんといっしょ」のオープニングは歌からです。

たくさんの子ども達の中に4人のお兄さん、お姉さん達が座っています。そして、みんなで歌を歌います。ここで歌われる歌は、手拍子など手遊びを加えて子どもと一緒に楽しく歌う歌。

この歌は毎日オープニングで歌われ、一定期間変わらない月の歌の場合もある。テレビを見ている子どもも、いつの間にか歌えるようになって、覚えてしまいます。ここは保育的に言うと表現することを学ぶ時間ですね。

オープニングの歌の後も歌が続きます。合成映像を使って、絵の中やセットの中でお兄さんとお姉さんが歌うもの。いろんな歌が出てきますが、今の季節に関連する歌もあり、番組のオリジナルから、昔ながらの童謡もあります。

歌のテンポも様々、ジャンルもいろいろ。もちろん子ども向けの歌詞なんですが、いろんなバリエーションの歌があるので、音に親しむことができる時間です。

基本的には「おかあさんといっしょ」の前半は歌で構成されていきます。これらの歌は、繰り返されることがあるんです。もちろん、季節に合った曲は、毎日流れるわけですが、それ以外に、過去に放送された歌が使われたりします。以前に見たことがあるので、子どもは思い出します。記憶を刺激するために、わざと構成しているのかはわかりませんが。

ポコポッテイト

ポコポッテイトは、3人(3匹?)の動物達の劇です。動物の種類も性格も、育った環境も違う、ムテ吉、ミーニャ、メーコブという3人が登場するドラマです。自然豊かな島で、けんかしたり、助け合ったりする姿を描いています。わずか数分の劇。ここでは人間関係について学ぶことができます。

人間関係について学ぶもう1つのコーナーが「ともだち8にん」です。9人の個性的なキャラクターが登場して、いろんな性格の子がいることを教えてくれます。(最近はやらなくなった?)

パント

それから、パントマイムのコーナーが毎日あります。パントマイムは正直、バリエーションは少ないのですが、実際にはない「あるもの」を想定して、まるでそこにあるかのように体の動きで表します。

例えば、風船がお題のとき、風船を膨らませるところから始まり、大きくなって空に飛んで行きそうになり、体が宙に浮きそうになるような動き。子どもにとってはないものを想像する力を養うことができますね。これは想像力です。

日替わりのコーナー

日替わりで行われるコーナーが、4種類あります。

数字の数え方を教える「かぞえてんぐ」。天狗が登場して、数を数えるんです。2種類のものを数えて、合わせていくつみたいなこともするので、足し算までやってます。

何かを接写した写真、普段見ることのない角度から撮影した写真を子ども達に見せて、それが何の写真かを考えさせる「め~しゃしんかん」。ヒツジのメーコブがやるから「め~」です。

物の名前を伝えて、持ってきてとお願いするけど、それに似ているものを持ってきてしまうことを繰り返すコーナー。子どもの言語の獲得を楽しみながら促しています。ノリツッコミあり。

1つの絵のどこか一部分を変えて、一瞬だけ見せて、どこが変わったかを見つけさせる「すりかえかめん」。

これらが日替わりで行われます。どれも、脳を刺激するトレーニングです。お兄さんやお姉さんが独特の言い回しなどで、楽しく演じてくれるので、子ども達も楽しみながら見ることができます。

生活習慣

生活習慣を知るためのコーナーもあります。昔からあったと思います。

子どもはパジャマを自分で着たり、歯磨きをしたり、靴をはいたり、服をたたんだり、ごはんを食べたりする映像です。

動物の映像

最後に体操からエンディングの流れになりますが、その前にCMのような時間があります。映像と音楽が数秒だけ流れます。映像は動物です。写真や絵で見たことがある動物であっても、実際に動くところはなかなか見ることができませんよね。それを数秒だけですが、見せるんですね。今までにぎやかだったところに音楽だけの動物の映像が映し出されたりして、意外と子どもはじーっと見たりします。ここでは自然環境への興味・関心を育てます。

ブンバボーンからエンディング

最後の流れは体操からです。体操のお兄さんが音楽に合わせて、たくさんの子ども達と一緒に体操です。体操と言っても手遊びのような小さな動きから、走りまわったりする動きまで取り入れられています。

テレビの前の子も、一緒に動きを合わせようとします。意外と難しい動きもあるんですね。ここは運動の時間です。

参考記事:
NHKのブンバボーンから幼児が楽しめる体操の基本を学ぼう!

体操が終わると、エンディングです。エンディングは明日を期待するような歌詞の歌です。ポコポッテイトの動物達がトンネルを作って、子ども達がその中をくぐります。

やがて、曲調が変わり、ちょっと切ない雰囲気の歌になり、最後は手を振りながら上からたくさんのカラフルな風船が降って来て終わり。

教育の視点から見ると

幼稚園での教育では、5つのテーマがあります。「心身の健康」「人間関係」「自然への興味」「言葉の獲得」「豊かな感性と表現」の5つ。これらを意識して幼稚園では教育が行われています。

「おかあさんといっしょ」では、これら5つのテーマが様々なコーナーで取り入れられています。そして保育の中で大事なことは、バランスよく取り入れることです。「おかあさんといっしょ」でも、どこかに片寄ることなく、取り入れられています。

このことは、見る前から大体予想できていたわけですが、さらに、一瞬のイメージを使ったり、見えないものから想像させたり、右脳を使わせるような知育的なコーナーが作られていることに感心しました。

「おかあさんといっしょ」なんて、ただ歌って踊って終わりと思っているお母さんがいたら、損してますよ!

子どもにテレビを見せるのは良くないとかいう意見もありますけど、「おかあさんといっしょ」は見せた方が絶対にお得だと思います。たかが24分なんですが、あれだけのことを毎日変えながら家でやることは大変です。

しかもお兄さんやお姉さんのようにユーモアたっぷりで演じるなんて一般人には絶対無理ですからね。

幼稚園に行く前の時間や帰ってからの時間に子どもに見せてあげてくださいね。もう見てる子どもが多いとは思いますが…。嫌がる子どもはいないと思いますし、それで教育できるんですから!おすすめです。

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