平等に扱うからクレームが来る。幼稚園のクレーム親をなくす方法。

  2020.05.18

幼稚園・保育園

平等に扱うからクレームが来る。幼稚園のクレーム親をなくす方法。

クレームの悩みありませんか?

先生が元気の良い幼稚園はやっぱり気持ちが良いです。そんな先生にも悩みがあるのは当然。

幼稚園や保育園の先生で、子どもの親に悩まされている先生はいないでしょうか?

どうしようもないクレームをつける親に限って、その悪評を口コミで広げていくんですよね。そうやって先生を追い詰めていく…。

もううんざりですね。

ほとんどの場合、先生は悪くないんですよ。親に問題がある場合が多い。それは先生もわかってはいるんだけど、あなたが間違っているなんて面と向かって言える先生なんかいません。一応はお金をもらってるサービス業なんですから、そんなこと言えません。この立場の違いを利用した悪い親がはびこっているわけです。

私は子を持つ親の1人ですが、先生の味方のつもりです。幼稚園で働いたこともあるので、実は幼稚園に子どもが行くことになったら、先生の粗探しばかりしてしまうのではないかと思っていました。もしかしたら、クレームをつける親になってしまうのではないかと不安もありました。

でも先生は一生懸命でした。

その大変さを知っているからかもしれませんが、クレームなんか思いつきもしませんでした。先生方は、一生懸命やっているんです。だから、私は先生の味方でありたいと思います。

クレームを出さないために

先生に落ち度がないのに出るクレームが多いのではないかと思っています。たとえ落ち度があったとしてもですよ。そこまで責められることでもないのに、大げさにされてしまう。一生懸命やった結果なら、仕方のないことなんだって思えない親がいるんですよね、現実の世界には。

さて、ここでの本題はクレームにうまく対処することではなく、クレームを出さないこと。これを考えることにします。

親が幼稚園や保育園に対して気にすることは何でしょうか。親は自分の子どもが一番大事です。これは当然ですよね。そこまでならいいんですが、親は子どもがないがしろに扱われているのではないかと錯覚します。本当はそんなことないのにもかかわらず思ってしまうから錯覚なんです。親はこう言います。

先生、子ども達を平等に扱ってるんですか!?

こういう言い方をするのが特徴なんですね。平等に扱ってもらわなきゃ困るのだそうです。入園するときに、園や先生から、子ども達1人1人を平等に扱いますなんて説明したことってあります?たぶんないでしょう。いつのまにか、子ども達は平等に扱われるべきだという幻想を持ってしまうんですね。

ここに問題があります。

平等はあり得ない

子ども1人1人を平等に扱うってどういうことでしょうか?個別に接することをやめること?そんなの現実ではあり得ません。子ども1人1人に同じことをしてあげること?これも無理なんです。実は、子ども達を平等に扱うなんてできないんです。

もし、1人1人に対して同じことを機械のようにする先生がいたとしても無理です。なぜかというと、子どもの受け取り方が違うから。子どもの状況は全員が同じではありません。同じ言葉であっても、受け取り方が異なるのは当然ですよね。ですから、みんな平等なんてことはあり得ないし、できないことなんだと思います。

それでも、平等を望むなら、平等、平等と日常に、この言葉を埋め込むしかありません。子どもに「みんな平等に○○しようね」とばかり言うのです。

バカバカしいでしょ!?

同じように親が平等を根拠にしてクレームをつけることは、バカバカしいのですが、クレームをつける親はそんなことに気づいているはずがありませんよね。

平等など望まない親

クレーム親は平等という言葉を使いながら、平等を望んでいません。本当に平等に扱われたら困ると思いますよ。平等と言いながらも、本心では自分の子どもだけを特別扱いしてもらいたいのです。

なぜでしょう?

私にはわかりません。でも、先生がもし自分の子を特別扱いしてくれたとしたらうれしいかと言えばうれしいのです。特別扱いを望まない親だとしても、うれしいものなんですね。特別扱いされたことを理由に、なんで平等にしないのかってクレームをつける親は絶対にいません。クレームが出ないようにするにはこの親の心理を上手に利用することではないかと思うのです。

思い切って、特別扱いすることを目指す

平等に扱うことはできないのですから、平等はもう捨てましょう。目指すべきところは、どこでしょう。目標を立てるときに「○○しないようにする」なんて目標を立てる人がいますけど、あれっておかしいですよね。これなら、何もしない方が達成してしまうことになります。目標は「○○する」としなければいけません。

だから「特定の子どもを特別扱いしないようにする」なんてことを目指しても意味がありません。目指すべきところは、「特別扱いする」なんです。ただし、特定の子を特別扱いするのではなく、すべての子を特別扱いするのです。特別扱いすることで、困る人はいないんですよね。

子どもは…喜ぶ。

その親は…喜ぶ。

じゃあ、これでいいじゃないですか。

先生は…なんか心配?

特別扱いは決して悪い事じゃないのでビクビクする必要はありませんよ。えこひいきは先生にしかできない特権ですから、堂々と使うべきです。不安に思う時間があれば、行動して見た方が良いでしょう。1人1人の個性をよく考えて、その子にとって何をしてあげることが特別なことなのかを考えます。全員でなくてはいけませんから大変ですね。

でも、それは1人1人としっかり向き合うことなんじゃないかと思います。そして、特別扱いをしてあげます。子どもは喜んで、家に帰って、こんなことをしてくれたと親に話すでしょう。親はうれしく思うのです。子どもを通して伝わるのが何より大事なことなんですね。先生が説明するよりも何倍もの効力があるものです。

だから、先生は子どもに対して、特別なことをしてあげるだけで、親にもうまく伝わっていくんです。一度だけで終わりではなく、また違った形で特別扱いしてあげるとさらに効果的です。後は、特別なことをどうやって作り出すかが問題ですね。

壁面装飾での特別扱い

壁面装飾で、特別扱いすることは簡単なんですね。壁面装飾の中に、○○ちゃんが1人だけ登場してきたらそれはもう特別扱いですね。幼稚園のクラスでは、今月お誕生日の子を壁面でわかるように表現することはあるのではないでしょうか。でも、誕生日は1人1回ずつ来るので、特別にはなりません。最終的にはみんな同じ扱いになります。

そうではなく、動物達が遊んでいる壁面に子どもの○○ちゃんが1人登場してくると意味が変わります。子どもと一緒に作る壁面装飾などでは、重要なパーツを○○ちゃんに作らせるとか。作品を並べるときに○○ちゃんだけ、金賞にするとか。これらはすべて特別扱いです。

作品をただ並べてる壁面が多いと思うんですね。この場合、壁面はそれほど働いていません。壁面ってよく働くんですよ。働かせないともったいないんです。クレームを出さないための特別扱いにも壁面はいろいろと使えますよ。

平等につぶされるな

最近は運動会のかけっこで順位をつけない幼稚園があったりします。あの方向性は正しいのでしょうか?実際に走ったら、早い人、遅い人が出るのは当たり前。それなのに意味のない平等を心掛けるんですね。かけっこに平等なんかあるわけないでしょう。かけっこで負けても、歌で勝てる子がいるし、遊びの上手な子がいる。かけっこで一番になることを特別扱いしてあげなければ、歌や遊びが得意な子も特別扱いできません。

平等という言葉に押しつぶされずに、目いっぱい特別扱いしてあげることで、子どもは喜ぶのではないでしょうか。そして、親も喜ぶ。世の中に平等を求めている人は、実は1人もいないと思うんです。

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