はがした壁面装飾は取っておかず、迷わずすぐに捨てるべき理由。

  2020.05.18

幼稚園・保育園

まだきれいだけど…はがした壁面装飾は迷わずすぐに捨てましょう。

壁面装飾を捨てよう

壁面装飾で飾られた保育室の壁は華やかになりますし、子どもも喜びますよね。先生が一生懸命作った壁面装飾は、子どもに対してよく働きかける良い壁面になると思います。一生懸命作ったとしても、時期がくればはがされます。

はがしたらどうしますか?捨てているでしょうか。一度貼った壁面装飾でも、いつか使おうと取っておくことはありませんか?思い出として、子どもに回想させることを目的に、過去に飾ったものを再び貼ることは効果的だと思います。場合によっては、また使っても良い場合があるわけですが、多くの場合は使えません。もし、取っておいた壁面装飾があれば、これを機に今すぐに捨てましょう。

子どもに失礼

取っておくことには問題があります。まず1つの問題は子どもに失礼であることです。なぜ取っておこうと思うのか、それはいつか使えるんじゃないかと思うからでしょう。取っておくだけでなく、もう一度使うことはさらに問題です。壁面装飾の使い回しは、ズルいことなんですよ。

お店に例えてみます。その場合、子どもはお客さんのようなものです。車屋さんだとしたら、これは新車ですと言いながら、中古車を売っているようなものです。ラーメン屋さんで言えば、誰かが食べたどんぶりをそのまま使って他の客にラーメンを出すようなものです。そんな事をされたら、あなただって嫌な気持ちがするでしょう。

壁面装飾の使い回しは、子どもに同じ思いをさせているということなんですね。子どもに対して、失礼なことをしていることになるのです。1つのクラスに、1つの壁面装飾となるべきです。来年の同じ時期には、保育室の子どもは年齢を重ねていますし、そこにいる子も変わっていますよね。新しい子ども達に対しては、また新しく準備することが必要なのです。

先生の成長が止まる

もう1つの問題は、先生の成長が止まってしまうことです。なぜ取っておきたくなるのかを考えてみましょう。きっと、動物やお花などの壁面装飾を丁寧に作ったんですね。壁面もきれいにできたはず。そうでなければ、取っておこうなんて思いもしないはずですよね。ですから、取っておきたいと思ったってことは、壁面装飾の技術は間違いなく高い先生なんだと思います。

壁面装飾に限らず、先生としてさらに成長するためには、壁面装飾をはがしたら、すぐに捨ててしまうことをおすすめします。来年使えるかもと思ってもすぐに捨ててしまいましょう。壁面をデザインすることは、それなりの時間もエネルギーも必要です。また同じ時間を使うのかと思うと、もう一度使いたくなる気持ちはやまやまですが、もう一度デザインしてみましょう。きっと、今のものを越えるものができるはずです。こうして少しずつ良い壁面が作れるようになっていくんですよね。壁面装飾をもう一度使うということは、子どもに失礼なだけでなく、先生としての成長も止まってしまいます。

なぜ来年も使おうと思うのか

なぜ、来年も使おうと思うのでしょうか。その根本にある原因を考えてみると、先生は忙しいのではないでしょうか。もう一度使えるなら使いたい。

楽しようとしているのではありませんか?

やってみたらけっこうな時間がかかった壁面作り。面倒だなって思っているのではないかと思います。一生懸命作ったからこそもう一度使いたくなるんですね。その気持ちはよくわかります。もう一度使おうと思えるのは一生懸命作ったからに他なりません。さらに、はがしたときに、まだきれいだったのでしょう。子どもの集まる場所に貼られた紙でできた壁面が、きれいなままなのには理由があります。

破らないように子どもにきちんとしつけができているんですね。だから、もう一度使いたくなったら、それは普段の先生の保育はほめられるに値するのです。でも、先生のレベルの高さをもっと高められるかどうかは、そのきれいな壁面装飾を捨てられるかどうかなんですよね。思い切って捨ててしまいましょう。

ノウハウはモノでためない

壁面装飾を捨てない理由として、もう一度貼らないまでも、ノウハウとして残したいという場合もあるかと思います。この部分のデザインが気に入ったから、また同じように作りたい。でも忘れてしまいそうだから参考として取っておくのです。ノウハウをためるのは良い事だと思います。効率的になりますからね。同じようなことをすべて最初からやっている幼稚園は無駄が多いのです。できるなら、無駄は省いて、効率よく作業するべきです。

ノウハウをためるのは間違いではありませんが、それは実物としてためるものではありません。壁面に貼ってある段階で、一枚写真を撮ればすむ話ではないでしょうか。だから、はがした壁面装飾を取っておく理由はなくなります。

もう一度使うことの問題の本質

はがした壁面装飾をもう一度使うことの問題の本質は何でしょうか。壁面の作業がルーティンワークになっていることです。ただの面倒な作業となっていることです。クリエイティブな作業となっていないのではないかと思います。ルーティンかクリエイティブか、どちらであるかは本質的な違いなんです。

壁面装飾をクリエイティブな作業として取り組んだ場合は、壁面を作ってからが違います。子どもの反応が気になりますし、反応を見て反省をする機会が作られます。そして、さらに良い壁面を作ることにつながっていきます。こうしていかなければ、良い幼稚園にはなっていかないと思いませんか?

まとめ

壁面装飾はきれいに飾るもの。はがしたときにまた使えるんじゃないかと思えるのは、一生懸命作ったから、子どもにしつけもできているから。とても誇れることです。でも、はがしたときもきれいだからと言って、取っておくことはやめましょう。貼る場所が変われば、壁面も変わるべきです。子どもにも失礼だし、先生の成長も止まってしまいます。もう一度、クリエイティブな発想を生み出し、新たに作ることが正しいでしょう。そうすれば、どんどん良い壁面が生まれ、園内の壁は良い壁面であふれます。

はがした壁面装飾はすぐに捨てることが大事なのです。

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