東京都の認定こども園の減少を無視しないで!
2020.05.18
photo credit: Selma via photopin (license)
子育てのための新制度
2015年4月から子ども・子育て支援新制度が始まりました。知っている人も多いと思います。この制度は子育て世代を支援する制度です。今までは主婦のいる家庭の子は幼稚園、共働きなら保育園となっていたわけですが、新たな園が登場します。それが認定こども園。
認定こども園は夜まで預かってくれるし、子どもの年齢も問わないんですね。だから、保育園不足で悩む保護者達の救世主となります。幼稚園から認定こども園になる、それから保育園から認定こども園にもなる、だから認定こども園が増えています。これには園が受けられる補助金の問題があるんですね。
認定こども園の増加と減少
今年の4月に導入した新制度で認定こども園が増えていることがニュースとなりました。これによって子育て中のお父さん、お母さんにとっては選択肢が広がることになりました。めでたしめでたし。
そんなことでこのニュースが展開してしまうと非常に残念なんです。実はその裏にもう一つのニュースが隠れています。どちらかと言うと、そっちに注目しなければいけないのに。
裏のニュースとは、東京都の認定こども園が減少したっていうニュース。
減少…。
どういうことかわかりますよね。ある幼稚園があって、一度、認定こども園を選択してみたけど、園としては幼稚園の方が良かったってこと。だから、幼稚園に戻した。つまり、認定こども園が減少したんです。全国的には増加でも、東京都では減少なんですね。
なんで減少するのか
間違いなく、認定こども園では採算が合わないから減少しているんです。認定こども園にすることで損をしてしまうなら、幼稚園の方がいいんですよ。それは当たり前のこと。園の経営者なら誰だってそうします。新しい制度を作るときに、関係者のうち、一方だけのことを考えてちゃダメ!WinWinじゃないとうまく進みません。
私はこのニュース、つまり、東京都では認定こども園が減少したというニュースには価値があると思うんです。新制度に対してもっと保育業界が荒れて欲しいなと思うんです。
今、やっと新しい仕組みが動きだそうとしているんですから、もっと荒れればいいのに。悪いところを全部出して、欠点を認識して補いながら、ちゃんと形を作るべき。そう思いませんか?
親だけで子育ては成立しない!
どうも子育て中の親にばかりいい顔をしようとする。保育園不足は確かに問題。でも、忘れちゃいけないのが、幼稚園や保育園の先生の離職率の問題。別々に考えるべきじゃないですよ。園は先生にもっと給料払えなきゃいけないんです。保護者だけでなく、幼稚園や保育園の先生がいなければ、子育ては無理なんですから。
政府も保育園の先生の給料を上げて行く方針を出しているようなことも聞きますが、今の状況じゃ無理ですよね。なんででしょう。やっぱり、幼稚園や保育園にビジネスのにおいが少なすぎるんじゃないかと思います。もっとベンチャー系の大手がビジネス的な旨味を感じて参入するような土台になっていないと難しいですよね。
池田信夫さんのお話
最近、池田信夫さんの記事を読みました。いいこと言ってる!
読んでいない方はどうぞこちらから。
幼児教育の大切さを言っています。海外の研究で、幼児教育の大切さが実証された話。補助金は園に対してではなくて、保護者に出す。うん、うん、いいこと言ってる。そのお金で保護者はいい園を選べる仕組み。なるほどです。
競争原理とか、市場みたいな言葉が出てこなきゃ幼児教育の質は上がらないと思います。
幼稚園経営をメインにしている上場企業がボコボコ出てこなきゃ。習い事も学資保険もいっぱい稼げそうなんだけどな。親なんか子どもの教育にどれだけお金をかけるか。いいと思ったら将来の投資としていっぱいお金を出すのが親。つまり、ビジネスとして成り立つはず。
待機児童ゼロとかで自慢する自治体もありますけど、数が合っただけじゃないんですかねっていいたい部分あります。質はどうですか?って。下がったんじゃないでしょうね。本当は維持するだけでも物足りないぐらいで、質を上げなきゃいけないんですよ!
そのためには待機児童ゼロなんて生ぬるいこと言ってたって…。もっと今までの仕組みをひっくり返すような大きな変化を世の中は求めています。その要求に応えた制度じゃないと、すぐにひずみが出てきます。だから変えるときに思い切って変えないといけないのではないでしょうか。
池田信夫さんは、大学の教育よりも幼児教育が大事と言ってますね。これも賛成です。