園児を集めるために、幼稚園の先生ができる営業活動。
2020.05.18
幼稚園の営業力を考える
子ども・子育て支援新制度で幼稚園が置かれている環境は変わりつつあります。どうなっていくのかは、まだ具体的には見えていないと思いますが、幼稚園も競争の時代になっていくのではないかと思っています。
幼稚園も淘汰されていく時代がそこまでやってきています。
そこで重要になるのが営業力ではないかと思うんですね。これまでは黙っていても集まって来た園児の数を今後も同じように確保することができるでしょうか。
幼稚園の人気の差
幼稚園は必要なだけの園児数を確保できなければつぶれてしまいます。その幼稚園は、市場から不要と言われたってことです。
それまでと同じことをやって、他の幼稚園もほとんど同じことをやっているにもかかわらず、人気のある幼稚園と人気のない幼稚園にわかれる。その差はとても小さなことなんですが、営業を意識しているかしていないかの問題だろうと思います。
幼稚園は園児を集めるための営業力を考えてみる必要があるのではないでしょうか。
幼稚園ができる営業活動は
多くの幼稚園では今までも営業活動と言っていいかはわかりませんが、園児を集める工夫をされてきたと思います。例えば、ポスターを貼ること。園児の保護者にもお願いしたりして、なるべく露出を増やし、見学に訪れる親子を増やそうといった努力をしてきたのではないでしょうか。
でも、もっと積極的な営業を行っても良いと思います。ポスターって結局待っているだけですからね。
ただ、積極的な営業活動と言っても、新たに営業マンを雇って、近所の家を一軒、一軒まわるほどの余裕もないと思います。動けるのは先生だけです。それでもできる営業活動もあるんですね。もっと身近なところからやる営業活動。
今の園児の保護者が未来のお客様
身近なお客様が毎日幼稚園に来てくれています。
園児を送り迎えする保護者の方です。
その保護者の中には次の園児候補をつれてきている親もいるはずです。そうです。弟や妹です。赤ちゃんを抱っこしたり、おんぶしたりして園児を迎えに来る親がいると思うんですね。まだ幼いですが、今の園児が卒園する頃には入園する年齢になるはず。だから、今の園児の保護者は大事な未来のお客様です。
園児の弟や妹を同じ園に入園させるのは普通の流れです。親も園に慣れていますから、特に問題がなければ、同じ幼稚園に入れた方が楽なんですね。ただ、これはもう今後はわかりません。時代がそう簡単には行かせてくれないのではないかと思います。
情報を得たらどうするか
認定こども園が増えています。幼稚園の環境が変化していますよね。認定こども園のことを保護者たちはよく理解しているでしょうか。ほとんどわかっていません。
なんか関係がありそうだけど、そこまで関心はありません。でも、そのうち変わるでしょう。情報がいろんな形で広まれば、いやでも気にしなければいけなくなります。気になってしまうと、何かうちだけ損をしているかもと思ってしまうんです。
そうなると、保護者は情報を集め始めます。その情報の中には間違いなく、幼稚園の評判なども含まれます。
様々な形で幼稚園は情報となっています。近くにもっと良い幼稚園が見つかったらどうするでしょう。今までは関心がなかったけど、実は近くに評判の良い幼稚園があったら、今の子を転園させることはないと思いますが、下の子は同じ幼稚園には入れないと思います。
今の園児が長男とか長女であれば、保護者ははじめての幼稚園でもなんとかできたという自信を持っています。ですから、下の子を新たに違う幼稚園に入れても大丈夫だと思うはずなんです。
保護者をファンにするには
どうすれば、下の子も同じ幼稚園に入れようと思うでしょうか。そのためには保護者を幼稚園のファンにすることが大事。ファンであれば、離れようとしませんよね。
では、どうすればファンを作ることができるでしょうか。ここが問題です。
すでに上の子が園に通っているならば、当然、他の園に比べれば圧倒的に優位。その優位を活かせるかどうかです。毎日のように親と接する機会がありますよね。少なくとも、子どもとは毎日会うわけです。それが優位なんです。
保護者をファンにするためにすべきことは、毎日一生懸命な姿を見せることでしょうか。これも大事なことかもしれませんが精神論ですね。私はこんなことを書くためにこのブログを書いていません。もっと具体的なことを書きたいのです。
彼らに声をかける
先生は園児の送り迎えのとき、親についてきている弟や妹に話しかけているでしょうか。毎日来ているはずです。毎日声をかけることが大切なんです。名前を覚えていないならすぐにでも覚えるべきです。言葉がわからない幼い子でも声をかけます。
すると、親がどう思うかが大事なんですね。親は悪くは思いません。園児の保護者は、園にお金を払っているという意識が少なからずあります。それは事実。
でも、そのお金は園児のためであって、下の子のために払っているお金ではないのです。それなのに、先生は下の子にも声をかけてくれると思うと、得しているような気持ちになります。下の子に声をかけられることがうれしいんですね。だから、積極的にやるべきです。
園児だけでなく家族を意識
つまり、先生は園児だけでなく、保護者、兄弟までをも見ていることを表現することが大切です。園児はもちろん、保護者もそして弟や妹も、この園は居心地が良いと思わせます。そうすれば、家族全員が先生の、また幼稚園のファンになります。そうなると、もう離れていくことはありません。ちゃんとつながっていきます。
これで下の子を確保できるわけです。そして、その効果はそれだけではありません。
口コミにつなげる
園児を含めて2人以上もいるお母さんは毎日大変なんです。ストレスもあります。ですから、ちょっとでもうれしい気持ちにさせてあげることで、ものすごく助けてもらったような気持ちになります。
そしたら、勝手に宣伝してくれます。ポスターを貼ってくださいとか、そんなこと言わなくても新たな園児をつれてきてくれます。
これが口コミの強さです。
幼稚園が自ら作った広告よりも、近所のお母さん、しかもその園に通わせているお母さんが経験をもとに発信する情報を聞きたいと思うし信用します。
園の良さは保護者の気持ち次第
幼稚園が本当に良いのかどうかは、はっきり言って保護者にはわからないものです。それは当然です。1つの園にしか通わせた経験しかないんですからね。他と比べて、はじめてその園が良いのかどうかを判断できます。でも、幼稚園は1つしか知らないのです。
だから、その幼稚園が良いかどうかは自分の気持ち次第。良い幼稚園だと思えば良いし、悪い幼稚園だと思えば悪い幼稚園。
こんな曖昧な形ですが、口コミになったり、ネットの情報になって広まってしまうと、見た人はそれが本当のことのように思ってしまうんですね。これが情報の怖さでもあります。ですから、良い幼稚園だと思わせるように、毎日保護者にさりげなくアピールすることを続けることが効果的なんです。
その方法こそが園児の弟や妹に声をかけることではないかと思います。
ぜひ、将来を考えて、幼稚園の先生ができる営業活動を始めてみてください。