幼稚園や保育園の運動会で踊るダンスを上達させる方法。

  2020.05.15

幼稚園・保育園

幼稚園や保育園の運動会で踊るダンスを上達させる方法。

幼児のダンスをそろえるのは無理なのか

幼稚園や保育園の運動会の種目でダンスは定番です。年長になるとだいぶ全体が揃うんですけど、年少だとできない子がけっこういます。

限られた時間の中で、先生は一生懸命教えていると思うんですね。でも、なかなか上達しない。練習時間が長くなると子ども達は飽きてしまう。

今年の子はなんて出来の悪い子なんだ…

なんて思うこともあるかもしれませんね。とは言っても、どんどん近づいてくる運動会。厳しくなる先生。泣いてしまう子ども。

でも、見に来た親もガッカリなんてかわいそうですから、少しでも上手に踊らせたいと思いますよね。全員がそれなりにダンスしていることを目指しましょう。そのためには、子どもの心理を理解して、教えることが大切ではないかと思います。

先生が捨てなきゃいけないもの

子どもの心理を尊重してダンスを教えるなら、まず先生が「捨てなければならないもの」があります。

それは、運動会の練習という概念。何のために子どもにダンスを教えて、練習を繰り返すのか、それは間違いなく運動会のため。

それはそうなんですが、運動会を想定してダンスを教えることはやめましょう。とても気になることなんですが、頑張って捨ててみてください。だいぶ気分が楽になりますよ。そして次は子どもの番です。

子どもにも運動会なんて意識させません。「運動会の練習するから外に出るよ」なんて声をかけてはいけませんよ。子どもの心理からも運動会の練習という考えを消してしまいます。

そしたら、目指すのは音に合わせて子ども達が体を動かすだけになります。これって、難しくない。むしろ自然なこと。子どもはもともと、音楽が好きです。リズムに合わせて体を動かすのも好き。

なのに運動会のダンスとなるとできなくなります。邪魔しているのは「運動会の練習であること」なんですね。

運動会の練習のイメージを子ども達の頭の中から取り除くことで体は動くようになります。つまり、子ども達は音がなったら踊る、これだけに集中することができる。音楽が聞こえたらついつい踊りたくなっちゃうっていうぐらいが理想ですね。

子どものフリーズはなぜ起こるのか

子どもって動かなくなるときがあるんですよね。まるでロボットが電池切れになったように。まさにフリーズしてしまうときがあります。パソコンを使ったことのある人なら経験があると思うんですが、パソコンもフリーズします。どんなときにフリーズするのかと言うと、いろんなことをコンピューターに指示すると止まってしまいます。

容量オーバーなんですね。

子どものフリーズも同じじゃないかと思います。難しいことが頭に入ってくると、止まってしまう。止まらないまでも、心ここにあらずのような感じ。ダンスに集中しているとは思えない子は、何か難しいことを頭の中で考えているはず。

大人なら、いくつかのことが頭の中にあっても、まずはこっちからというように優先順位をつけて、切り替えて処理できるものです。でも、子どもはスイッチの切り替えも難しいのです。だから、頭の中を単純にしてあげた方が、良く動けます。

子どもの場合、頭の中をシンプルにして、1つのことに集中できるようにしてあげなければならないんですね。そんな風に整理することを子どもが自分でやるのは絶対に無理。それは先生の仕事。

取り除くのではなく、はじめから入れない

頭の中を整理するときに、注意したいのは、一度入ると取り出しにくいことです。

子どもの頭の中に情報がいったん入ってしまうと、とにかく処理を始めてしまいます。それが始まるともう処理を止めるのは無理で、取り消すのは難しくなってしまいます。そして、フリーズして止まります。

ですから、頭の中をシンプルにするには、初めから頭にインプットしないようにするしか方法はありません。必要最小限のことだけを入れるんです。

ダンスをする子どもには音と体を動かすことだけがあればいいんですよね。振り付けも覚えてもらわないと困るかもしれません。でも、大丈夫です。子どもは先生がやっていればそれを真似します。これは本能的に真似するので、何も与える必要はないんです。

この方法ならきっと、苦労せずにダンスを身につけて行ってくれると思います。

ところで、この考え方って幼稚園として正しいと思いますか?

ここまで読んで、そんなことが気になった方は、↓も読んでくださいね。

努力を教えるのは後でも

保育園と幼稚園は教育といった観点で切り分けられることがあります。

幼児教育を行う機関である幼稚園は、運動会も教育の一環です。そう考えると、幼稚園でダンスすることを目標に置き、それに向けて練習を重ねることに意味を持たせるべきではないかとも思ったりします。

運動会の練習という概念を取り去ったら、得られるものも得られなくなるかもしれません。努力して練習して達成するといった一連の流れが失われます。

これは悪いこと?

私はそれでも良いのではないかと思っています。幼稚園のやり方を見ていると、練習にはかなり力を入れるんですが、終わった後のフォローは雑な気がするんです。終わった直後にこそ、これまでの練習が今日の運動会で発揮されたんだと伝える必要があると思います。

そのタイミングで、努力とか練習の大切さを学ばせれば良いと思います。練習を強く意識させてフリーズさせてしまうよりはずっと良いと思うのです。

関連記事
イベント後が大事!親の信頼を厚くするための幼稚園の先生の締めくくり。

楽しければ上達する

運動会に向けて頑張るとかいう発想は、幼稚園の年少ぐらいの年齢ではまだ早いんじゃないかと思います。まずは音楽に合わせて踊る楽しさを目一杯感じて欲しいと思います。

幼稚園や保育園で楽しくダンスをした日、その子は家でもやるんですね。音楽がなくても自分で歌いながらやるんです。楽しくないと上達しないのは、どこでもやりたいと思えないから、体も覚えていかないんだと思います。

ここでは運動会のダンスを取り上げて書きましたが、他のことでも同じだと思います。先生は子ども達がどうしたら、楽しめるかを考えて、最良の方法を選択して欲しいと思います。時には間違えることもあったりするものですが、子ども達の心理をよく考えて、先生が努力してやってみると、子どもはいろんなことができるようになるはずです。

ダンスを踊った時、自分が担任をしているクラスの子達が一番上手だったらどう思うでしょうか。先生はもっと子ども達を好きになります。また、子ども達も、自分のために一生懸命考えてくれる先生をどんどん好きになって行きます。

まとめ

運動会で、子どもにダンスを上手に躍らせるには、運動会の練習という概念を子どもの頭に入れないこと。頭の中をシンプルにすれば、もともとダンスが好きな子ども達ですから、自ずと上達していくものです。

広告