幼稚園のクラスの先生を2人体制に、副担任の役割を見直しませんか?

  2020.05.15

幼稚園・保育園

幼稚園のクラスの先生を2人体制に、副担任の役割を見直しませんか?

クラスの先生は2人体制?

幼稚園のクラスには先生は何人いるでしょうか?年少のクラスでは2人ずついる幼稚園も最近では多いのではないかと思います。担任と副担任といった役割でクラスを運営しているんですよね。いつのまにか、何となく当たり前となってきたことは、意外と見直す機会もないものなんですね。そこで、幼稚園の先生の体制、担任と副担任の役割などを一度しっかり考えてみるのはいかがでしょうか。

人材はピラミッド構造

先生の退職率が高く、悩む幼稚園では、体制や役割分担が明確になっていないかもしれません。役割分担は1人の先生の負荷の高低に大きく影響を及ぼすからです。担任の先生に責任を持たせ過ぎていませんか?担任が副担任を教育するような体制になっていませんか?

幼稚園に限らず、いろんな企業でも同じような体制を取ります。経営者からすると、まずは一人前の先生を作って、新人を教育してもらわないといけません。学年主任などのリーダーの先生を作ることもあると思います。そうすることで、経営者が育てるべき先生の数は少なくなります。このようなピラミッド構造を作れるかは、組織の中の人材育成にはとても大事なことだと思います。

1人の先生の負担を軽減する役割分担

ここからは私の持論となるわけですが、やはり幼稚園のクラスは2人の先生で運営すべきではないかと思います。年少に限らずすべてのクラスにおいてです。担任の先生の負荷の軽減をもう少し考慮した体制に変えるべきではないかと思っています。担任の先生は、園児の親とのコミュニケーションが必要ですし、場合によってはクレームの窓口にもなります。クラスの保育計画を作ったり、成果や課題などを整理して、園長に報告する仕事にも責任を持ちます。もちろん、子ども達との関わりでも、メインとなってクラスをリードして行かなければいけません。あらゆる面で、責任を感じて仕事をしているのではないかと思うんです。

先生の負担が大きいと、いずれはやめてしまいます。それは、幼稚園からしてみれば、これまで育成してきた時間もコストも流出してしまうってことなんですよね。副担任の先生がいて、負担を分け合えるようにすれば、もっと効率よく仕事ができ、また1人の先生にかかる負担も軽減されるのではないかと思います。

ただ、経営面からは、1つのクラスに2人ずつ先生をあてることは難しいのかもしれません。学年の各クラスで共有する先生を非常勤などで置くこともあると思います。でも、人材育成やリスク対策を考えれば、やはり2人の体制を取れるようにしておくべきです。

クラスの先生の役割分担

いずれにしても、1人ですべてに対応しなければならない先生は、あまりいないのではないかと思います。園長先生からすれば、1人の先生が忙しいとしても、園としては体制を作っているんだから、後は話し合って分担すれば良いと思うかもしれません。たしかにそうなんです。でも、その考え方は、ほとんどの場合、うまく行きません。幼稚園の先生には、まじめで責任感の強い人が多いと思うんです。責任感が強い先生は自分で背負ってしまいがちです。あらゆる場面の責任を背負ってしまいます。

副担任がいたとしても、その責任を負担してもらおうとは思わないものなんです。こういった場合、上からの半ば命令的な施策が必要になるんですね。かと言って「担任と副担任で責任を分け合うようにしなさい」なんて言葉で伝えても何も変わりません。

仕組みを変える

仕事の仕方や体制を変えるには、仕組みを変える必要があります。考え方が自然と変わっていくように、仕組みを作っていくのが最も効果的な方法です。私がおすすめしたいのは、1クラスに担任の先生と副担任の先生を置くことです。担任の先生の負担を軽くするだけでなく、若い人材も、もっと早く成長できるようになるのではないかと思います。そのためには副担任の役割が重要になってきます。

担任と副担任の役割を考える

担任と副担任には、それぞれどのような役割を持たせるべきでしょうか。従来の体制では、副担任の先生は担任の先生の補助だったのではないでしょうか。補助って言葉は、あいまいな感じがしますよね。もっと明確にしなければいけません。副担任にしっかり役割を持たせてあげることが必要です。つまり、担任の先生がやっていた、保育計画の作成や報告は副担任の役割とします。

日々の保育を企画して、形作って行く責任を副担任にやらせるのです。幼稚園内部においては、そのクラスの責任者は副担任とするように仕組みを作って行きます。園長先生がクラス運営についてアドバイスする相手も基本的には副担任。そうなると副担任は、できるだけベテランの先生でなければ難しいかもしれません。

逆に担任の先生は、園児の親との窓口として、また園児たちのアイドル的な存在であれば良いと思います。つまり、担任の先生は新人でも大丈夫という体制です。しっかり副担任がサポートするから大丈夫。そして、明日の保育の計画は副担任が作り、しっかり担任に伝えます。担任の先生は、その計画に基づいて、きっちり役割をこなします。うまくいかなかったら2人で反省です。その中で副担任の先生は担任の先生に対して、いろいろ教えたり、アドバイスすることになるでしょう。コミュニケーションも活発化するのではないかと思います。

もし、新人の先生が担任の先生になった場合、どんな保育をすべきなのか、日々勉強になります。副担任の先生からノウハウを学んでいくからですね。いずれは、担任の先生が育って、副担任となり、また新たな新人の先生を教育していく立場となる。この体制がクラス運営の良い形ではないでしょうか。

副担任はマネージャー

担任の先生はアイドルであって、副担任の先生はマネージャー。副担任は完全な裏方として、仕切る立場となってクラスを運営するのです。この体制には、外の顔と中の顔を完全に切り離す意味もあります。親から怒られることがあった日に、また園長先生から怒られるのはつらいものです。園長先生が怒るべきなのは、ベテランであって内部の責任者である副担任の先生とすれば、若い担任の先生も精神的にも軽くなりますよね。

優秀な副担任ならうまくいく

私も経験がありますが、副担任の先生が優秀な場合、クラス運営はうまくできるものなんですよね。優秀な副担任の先生は、担任の先生が動きやすいように、周りをよく見て、先読みして動いてくれます。だから、何も言わなくても、期待通りに動いてくれるんですよね。

ところが新人の先生の場合は、当たり前ですが、現場で1つ1つ教えることが必要になってきます。これをOJTなどと言ったりしますが、サービス業ではOJTなんてない方が良いに決まっているんです。幼稚園はサービスです。毎月、お金をいただいて、子どもを預かっているんですよね。だとすれば、現場では最も良い品質のサービスを提供できなければいけないのです。そこにOJTのような先生の教育の時間など、ない方が良いのではないでしょうか。

今までは、副担任が補助的な立場だったので、遠慮もあったと思うんです。でも、しっかりした役割を与えることで、もっと積極的に動けるわけで、クラス運営はやりやすくなると思います。

また、担任の先生と副担任の先生は、なるべく差があった方が良いと思います。年齢の差、タイプの差が大きい方が良いと思うんです。同年代や、似たタイプの先生だと、対立が起こる可能性が高くなるから、そして保育に対して違った視点を取り入れるためです。

まとめ

幼稚園では、1クラスに担任の先生と、副担任の先生の2人体制を目指すべき。副担任を内部の責任者として、担任の先生を外部の責任者とします。すると、1人の先生にかかる責任が軽くなります。さらに、副担任にはベテランの先生を、担任には若い先生を配置します。保育計画を副担任が作る体制とすると、担任が新人の先生であっても育っていきます。

植物に例えてみると、担任の先生はきれいな花であって、地上で咲きます。副担任の先生は、根っこであって、土の中で水分や養分を吸収します。根っこがしっかりしていなければ、決してきれいな花をつけることはありませんよね。園内の先生のレベルアップ、それから退職率の低下につながっていくのではないかと思います。

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Comment

  1. 匿名 より:

    んー
    これだと
    副担任の負担のほうが大きい感じがしますが……
    お互いに正職であれば、わかりますが
    片方が臨時職だと……
    保護者や子どもたちには正職臨時は関係ありませんが。
    月案日案週案の負担はこちらの園ではなかなか大きいです。
    最近の新人の正職の先生は、
    そこから教えなくてはならないの??
    という常識的な初歩的な所から手取り足取り教えていかなくてはならない方が多いと感じます。
    離職していくのは、そういう新人の育成で悩んでいた中堅の先生がまわりには多いです。

  2. 匿名 より:

    無理言わないでください。私は副担任でしかもパートです。担任は4年目ですが、副担任に頼りっぱなしで過ごしてきたこともあり、一人で保育を進めることができません。一人一人との関わりも副担任に任せっぱなし。副担任の尻拭いの大変さ全くわかっていません。