小児科の待合室には恐怖を和らげる壁面装飾を!
2020.05.11
子どもは注射が嫌い
私の娘は注射が嫌いです。痛いというよりも怖くて泣いてしまいます。小児科は待ち時間が付き物ですが、待合室で座っているときから緊張しています。そして診察室に入ると恐怖は最高潮に達し、注射器を見た途端、パニックに近い状態になります。物心がついて、注射が何なのかわかってきて、さらに怖さが増したのでしょう。
それは子どもの成長とは言え、親としては、そんな我が子がかわいそう。うちの娘だけではないと思います。子どもはみんな注射が嫌いです。
インフルエンザの予防接種の時期なんか、必ず子どもの大きな泣き声が建物内に響き渡っていますよね。そして、真っ赤な顔で抱っこされた幼い子が待合室に戻ってくるのです。それを見たうちの子は、緊張でさらに顔がこわばります。これでは子ども達がかわいそうでなりません。何とか注射の恐怖に怯える子ども達を救う手立てはないものでしょうか。
待合室が異質な場所だから怖い
小児科の診療所は子どもにとって好きな場所ではありません。悪さをしていないのに注射で痛い思いをするところ。風邪を引いたときは、具合の悪い中、待っているところ。どちらにしても良い思い出が残ることはそう多くありません。それで、子どもたちの小児科に対する印象は、良くないものになっていってしまいます。
注射を、そして診察を繰り返すたびに、印象は良くない方向に向かいます。それから診療所や病院の雰囲気が子どもの恐怖感をあおります。消毒のようなにおいもそうですが、周りを見渡すと、内科と一緒になっている場合はとくに、健診の情報などのかたい情報、それから病状の絵や写真を掲示していることもあります。この普段見慣れない異質な感じに子ども達は緊張を高めてしまうのでしょう。
絵本に集中できない子ども
ここで壁面装飾の出番です。壁面装飾とは、幼稚園や保育園でよく見かける、動物の形などで作られた紙の装飾で、壁に貼られるものです。小児科の先生、待合室の掲示物を楽しく、明るいものにしていただけないでしょうか。
診療所は幼稚園や保育園ではありませんから、壁面の一区画でも良いので、子どもたちが安心感を覚えるかわいらしい壁面を作っていただけるとありがたいです。子ども達がじっと集中できる一画で良いのです。
それなら、絵本があると言われるかもしれません。たしかに待合室には決まって絵本が置いてあります。でも、子どもは絵本の世界と自分の居場所を分けて考えるようです。怖い、怖いと思いながら見る絵本は家で見るときとは違うようです。なかなか頭に入って来ないので、本の世界に入り込むことなどできません。
熱のあるときだってありますから、やはりぼーっと眺めることのできる壁面が最適なんです。
壁面装飾には手作りの温かさがあることも子どもの心理に良い影響を与えます。この建物が怖い場所じゃないんだよと伝えるような楽しく明るいものを貼って欲しいと思います。
楽しい場所はまた行きたい
実はうちの子は歯医者をあまり怖がりません。なぜなのか、その理由を考えてみると、1つは、まだ虫歯になっていないので、口の中を見られるだけで、削ったり抜いたりといった痛い経験をしていないからです。2つ目は、まだ新しい歯医者さんなので、きれいで怖さが感じられないから。大人から見ても歯医者さんの雰囲気はいろいろで、最近の新しい歯医者さんはきれいでおしゃれな雰囲気のことも多いです。
そしてもう1つ、歯医者さんにガチャガチャが置いてあることです。これが最も大きな理由ではないかと思います。子どもはガチャガチャが大好きなんですよね。楽しいものがあったところは、自然と子どもの印象が良くなり、また行ってみたいと思うのです。そこが歯医者さんであってもそうなんです。
小児科の主役は子ども達
私は壁面装飾を作っています。ですので、ガチャガチャをおすすめすることはできませんが、壁にかわいい動物の壁面を2つか3つ貼ると、子どもの小児科に対する印象は変わると思います。病気に関する情報も大切ですが、その情報は大人に向けた情報です。インターネットが普及し、スマホを持つ人が増えてきた今、多くのお母さんは小児科の待合室での時間をスマホを見て過ごします。そんな時代となった今、小児科の壁面をもう一度考えてみて欲しいと思います。
小児科の待合室の主役は子どもであるべきだと思うんです。子ども向けの壁面があるべき。長い待ち時間の緊張を解き、少しでも楽しい気持ちになれるように壁面を工夫できるのではないかと思います。
動物の壁面装飾は、子どもはもちろん、大人の気持ちも明るくさせます。幼稚園や保育園でよく使われる壁面装飾ですが、「病は気から」と言うように、診療所の壁面こそ、ふさわしい場所なのかもしれませんよね。
ただし、壁面装飾を作るのは手間のかかるものです。医師である先生も看護師さんも忙しい中、時間を作って壁面をどうにかするというのもなかなか難しいと思います。私は医療のお手伝いはできませんが、壁面装飾のお手伝いならできます。
少しお店をのぞいて行ってください。