壁面装飾のデザインに「あっちゃんあがつく」の本がおすすめです。
2020.05.15
幅広く使われる壁面装飾
幼稚園や保育園で使われる壁面装飾。動物などを色画用紙で形作り可愛く飾るんです。幼稚園や保育園では当たり前のように先生が作っています。
ところで、壁面装飾は幼稚園や保育園以外でも見られます。例えば、歯医者さん、小児科、お店のキッズスペースなど。また、子どもだけでなく、老人ホームでも見ることがあります。
誰が作っているのかと言えば、おそらくそこで働いている人が作っているんでしょうね。
デザインを考える方法
幼稚園や保育園では毎月のように新しいものを作ります。だから先生達は慣れています。でも、それ以外の場所では、作り慣れていないという方も多いと思います。そこで、壁面装飾をやりたいけど、どんな風にデザインするのか、よくわからないという方へのおすすめの方法を書きたいと思います。
壁面装飾の考え方
このブログでは壁面装飾について色々と書いています。作るときのテクニックとか、考え方とか。
その中で私がよく書いていることが壁面装飾の中のメッセージについてです。壁面装飾はただ並べて貼ればいいというわけではないというのが私の考え。
それを見る子ども達のことを考えながら何を伝えたにのかを明確にします。その伝えたいメッセージを壁に表現するのが壁面装飾です。幼稚園や保育園ではそうだと思っています。保育のプロが作る壁面ですから。
でも、それ以外の歯医者さんや老人ホームで作る壁面は、どこまでこだわるかにもよると思いますが、ただ可愛くきれいに飾れればいいという場合もあるかもしれません。
それでも私はうれしいです。壁面装飾の価値が認められ、あらゆる場面で使われて欲しいと思っています。
もし、もう少しこだわってみたいという場合、今回の方法をおすすめします。
壁面のデザインに使える本
最近見つけたいい本があります。
それは壁面装飾の専門の本ではありませんよ。「あっちゃんあがつく」という本です。幼い子がひらがなを覚えるための本。
これです。
覚えやすいように絵本の中に様々な工夫が見られます。最初は気しなかったんですが、それらの工夫を見ていると壁面装飾に近いものを感じました。
あっちゃんあがつくの本の特徴
絵本も子どものために作られたもの。壁面装飾も多くが子どもに向けて作られます。だから、似通った部分が出て来て当然と言えば当然なのかもしれません。
あいうえおの本は、五十音順に見開きで1つのひらがなを扱っています。
「あ」はアイスクリーム。
「い」はイチゴジャム。
このようにずっと続くわけですが、全て食べ物になっています。言って見れば、それだけの本です。いいところは、絵が盛りだくさんと言った感じ。ユーモアな絵で色も鮮やかで飽きさせません。食べ物は子どもにとっても身近な存在ですし、興味を持ちやすいんだと思います。
そんな特徴のある本ですが、この本で私が注目したいのは、二つあります。それは壁面装飾にも通じる部分。
人間のように描いている
一つは擬人化です。この本の中に人間は出て来ません。食べ物と動物やモノです。その中で擬人化されています。
動物が何か食べ物を食べているところ。ただ、決して動物らしい食べ方はしていません。人間にように食べます。あるページでは食べ物自体に顔があって、ひょうじょうがあります。
このような擬人化は壁面装飾でもよく使います。
人間らしく作ることで、子ども達は自分と重ね合わせたり、感情移入させやすくなるんですね。
まさに絵本の中に入り込む感覚。壁面なら壁に描かれた世界に入り込む感覚です。
背景に意味を持たせている
この本の興味深い点、もう一つは、一枚の絵にストーリーがあることです。どういうことかと言うと、絵が書いてある1ページの中で何かが行われている。
例えば、梅干しのページではクマが食べてすっぱい顔をしている。
ただ、食べ物の絵を書いているだけじゃないんですね。その周りにいろんな情報があるんです。これが壁面装飾にも使われる面白い部分だと思います。
壁にウサギとクマの壁面装飾を貼ることは簡単です。でもそれだけだと、ほとんど何も伝わりません。子ども達が壁面を見て何を感じるでしょうか。おそらく何も感じません。
せっかくの壁面装飾がもったいない。子どもにメッセージが伝わらないのは、壁の無駄遣いです。
だから、周りを強く意識します。ウサギとクマの壁面装飾はもちろんあっていいんですが、その周りに装飾を加えます。そして、何をしているところなのかを表現します。
保育雑誌より「あっちゃんあがつく」
慣れないと、じゃあどんな壁面を作ったらいいのかと悩むかもしれませんね。そんなときに何か参考になるものがあったらいいなと思いますよね。幼稚園や保育園の場合には、プリプリやピコロといった雑誌を使います。その雑誌には壁面のデザインが載っています。
でも、壁面装飾を保育雑誌通りに作ってもつまらないだけです。そこで活用して欲しいのが、ここで紹介した「あっちゃんあがつく」の本です。この本は勉強になります。
思いも寄らないもの同士が同じページにあったりして、でもストーリーは見えてくる。このセンスは壁面装飾にも活かせます。
デザインのプロセスも参考になる
「あっちゃんあがつく」の本って、おそらく、お題があって、つまり食べ物が決まっていて、そこからスタートするんですよね。
そして、おもしろそうなストーリーを考える。そのストーリーに必要な絵を書いていく。こうして1ページが出来上がっているんだと思います。
これは壁面装飾でも同じです。壁面の場合は、だいたいは季節を題材にして作ることが多いと思います。そして、ストーリーを考えて、必要な壁面装飾を作って行く流れ。同じです。
壁面装飾作るときのメッセージって、どういうことかと思う方はぜひこの本を読んでもらいたいと思います。