自主性という言葉に惑わされるな!幼稚園の生活発表会の役の決め方。
2020.05.11
幼稚園の生活発表会
幼稚園の生活発表会は、親としてはかなり楽しみにするイベントです。
子どもの成長が見られる絶好の機会ですからね。期待が膨らむものです。期待が大きい反面、プレッシャーを感じるのが先生。先生の立場からすると、どの役にどの子を当てるのか悩ましい…。
劇を成功させなければいけない。子ども達の良い思い出にもしっかり残してあげたい。さらに、楽しみにしている親にも納得してもらわなければいけない。場合によっては、無神経な親からのクレームが来ることもある生活発表会。
いろいろ考え過ぎると、ストレスになってしまいます。先生が監督なんだから、本当は好きなように配置して、好きなように演出したらいいわけですがそうも行かないものです。
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主役が何人かいる劇
生活発表会の劇、先生としてはどんな風に子どもに役を当てていくべきでしょうか。
幼稚園の生活発表会で劇をやる場合に、まず大事なことは子どものやる気ですね。園長先生の評価とか、親の喜びとかよりも、やっぱり子ども。幼稚園である以上は、子どもを第一に考えるのが正解だし、それが周りの大人たちの納得を得ることにつながっていきます。
いかに子どもにやる気を持たせるか。モチベーションが働くようにするにはどうするかなんですね。
となると、子どもの自主性を尊重しようとする幼稚園や先生。最近は、主役を何人かで演じる幼稚園の生活発表会をよく見ます。複数の子どもが同じ演技をして、同じセリフを言う。これは、主役をやりたい子どもの自主性を尊重するには良い方法だし、簡単な方法なんです。親がどう考えたとしても、子どもが自分からやりたいといった役を演じている分には文句も言えないからです。
でも、生活発表会では、やっぱり観客の視線の全部を1人が集める瞬間を作るべきだと思います。
何人かが同じ演技をすれば、1人にすべての視線が集まることはありません。そして、見ている方は比べたくなるんですね。
これも生活発表会の本来の趣旨と違う気がします。そんな劇を見ている観客は、劇の中に入り込めませんし、感動もなかなかできません。
自主性を尊重する弊害
私が見たある幼稚園の生活発表会。まさに主役が何人かいる劇をやっていました。
劇の途中で、1人の子どもが失敗したんです。つまずいて転んでしまいました。お客さんはワーとなりました。こんな言い方をしてはいけないかもしれませんが、会場が盛り上がったんです。見ている園児たちも笑いました。転んだ子はかわいそうだけど、一点に視線を集中させたんです。
その劇の中で、最も印象に残ったのはその瞬間。
無理に失敗することはありませんが、広い舞台の中に視線を集中させる場所を作らないといけない。1つの場面でいろんな子がいろんなことをやっているのは、終わってからの感想も「いろいろやってたな」で終わり。
ですから、私は子ども1人1人に視線を集める場面を作るべきだと思っています。幼い子が演じる幼稚園の劇ではそれが大事。個人的には、同じ役を複数の子が演じるよりも、木の役でも、街の人の役でも良いので、唯一の役を作ってあげた方が良いと思います。
生活発表会では木の役をやったとしても、ほかに主役になれる場面は、幼稚園生活の場ではいくらでもあります。なければ、先生が無理やり作ってやれば良いだけで、生活発表会がすべてではないんですよね。
そもそも、世の中に何人かで同じセリフを話して会話しているなんて場面はほとんどありません。
社会においては、1つの事をみんなで協力してやるか、1人1人が自分の役割を持って完成させるかのどちらかでしょう。主役が3人、相手役も3人、3人ずつが、なんか会話している。そんな場面はあり得ませんし、とても奇妙だと思いませんか?あまりにも中途半端すぎるんですね。
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うまくいく配役の仕方
子どものやりたい役を選ばせようとする幼稚園や先生がいますが、あまりお勧めできません。その理由は、幼稚園児のやりたいことを優先させた劇は成功しないから。
だから先生が決めた方がうまくいきます。これが生活発表会を成功させるポイントなんです。
でも、勘違いしないでくださいね。先生が子どもに対して、上から役を与えていくことは良い結果につながりません。子どものモチベーションが上がりませんよね。
では、どうやって一人一人の役を決めるのかというと、子どもに自ら役を選ばせるように持って行くんです。これは「誘導」と言ったりします。
誘導を行う場合、先生の中では、子どもが選ぶ前に、もうそれぞれの配役が頭の中で決まっています。本を選ぶ時点で、大体見えてくるものです。でも、役は与えるのではなく、子どもに選ばせます。結果は、先生が思い描いていた配役通り。同じになります。
このプロセス、誘導で配役が行われれば、生活発表会はうまくいきます。
誘導するために必要なこと
誘導するためには、事前の準備が必要です。何も意識せずに適当に役を決めてもダメ。
たぶん、それだと子どもはやりたがりませんから、やる気も出ません。それ以前に間違いなく自らはその役を選びません。どんな本を選んでも、子どもに合った役が必ずある。それが見えてくるかどうかは普段の先生と子どもとの関わり方にかかっています。普段から子どもとの会話、それからどんな遊びに興味を示すか、そして性格。子ども1人1人をよく見ておかなければいけません。
いつもよく見るって、そんなに難しい事でもなく、幼稚園の先生なら毎日当たり前にやっていることなんですけどね。1人の子どもについて、いろんな情報を持っていることが大事。
生活発表会は、入園してすぐにはできないもの。子どもの性格や癖なんかをよく理解した上でやるからうまくいくものだと言えます。
誘導は積極的に
誘導ってあまり良いイメージも持つ言葉ではない気がします。なんか子どもの自主性を軽んじているような気がしないでもないんですね。でも、幼稚園の先生にとっては、ものすごく大事なことです。生活発表会に限らず、子どもを誘導できる先生の方が、子どもを良い方向に導くことができます。
逆に、自主性を尊重するって言葉のイメージは良いですよね。大人の世界ではまた意味が違ってくるわけですが、幼稚園の園児を相手に考えるなら、あまり意味がありません。
幼稚園では、「自主性」とは、先生の誘導の上に成り立つものと考えるべきだと思います。いかに園児を誘導するか、これが幼稚園教育の根幹のような気がします。先生方はもっと積極的に子どもの心理を誘導することが大切なのではないでしょうか。
親からすると、幼稚園から「誘導」なんて言葉を聞きたいとは思いませんけど、現場では大いに使うべきだと思いますね。そのために大事なことは、普段の生活の中でよく子ども一人一人を見ておくことが必要です。
誘導については、下記の記事にも書いています。
幼稚園の先生が、つまらない毎日に達成感を感じる方法。
まとめ
生活発表会の役決めは、園児に役を選ばせるのではなく、先生が事前に配役をイメージし、その役を子どもが選ぶように誘導する。自分が選んだと思うので、子どもはやる気が出る。
Comment
こんな保育士のいる幼稚園や保育園に預けたくないですね。何様なんでしょうか。このような考えの担任になったら、ただのハズレです。誘導される子供達、可哀想ですね。残念な保育士さんだこと。
大家族さん
コメントありがとうございました。
ただのハズレ…。気分を害されたのであればお詫びいたします。
その通りだと思います。
最近の保護者は、幼稚園や学校の決めた事に文句言い過ぎです
モンスターペアレントの子供は可哀想ですね。
そもそも主役5人とか、何が楽しいんでしょうか。
演劇に関してのみにするが、主役が立つのは脇役がいるからだというのは、ちょっと考えれば当たり前の事なんですが。
kobitoさん、ご無理なさらないよう。