作って満足してませんか?壁面装飾を見た子どもの反応をUPさせるコツ。

  2020.05.15

幼稚園・保育園

作って満足してませんか?壁面装飾を見た子どもの反応をUPさせるコツ。

壁面装飾を作る手順

壁面装飾を作るとき、どんな感じで作りますか。

【1】まずはプリプリやピコロなどの保育雑誌を広げて、この月ならどれがいいかなと選ぶ。

【2】これというのが見つかったら、雑誌の後ろの方のページにある型紙を切り取る。

【3】大きさを決めて、拡大・縮小コピーする。

【4】色画用紙に型紙をもとに鉛筆で、切り取るための線を書く。

【5】線の通りにハサミで切る。

【6】もう一度、保育雑誌の中の目指す壁面装飾のページを見る。

【7】服や腕などページに載っているものと同じようにのりですべてのパーツを貼り合わせる。

【8】いくつかの動物やお花などもすべて完成させる。

【9】保育雑誌の見本を参考に保育室の壁面に貼り付けていく。

【完成】

このような手順で作っているのはないでしょうか。それぞれの動物の配置などは少しアレンジするかもしれませんが、保育雑誌に載っているものを参考に貼って行きます。この手順で作ればきれいな壁面が出来上がります。

このようにして作られた壁面装飾は、慣れてくると時間も短縮できると思いますが、大変な作業だと思います。毎月壁面装飾を変えるなら、月の変わり目には必ず発生する作業になるわけですからね。特に忙しい月などは、面倒な作業に思えるかもしれませんね。それでも、出来上がった壁面装飾はきっとほぼ完璧な仕上がりになっているのではないでしょうか。

仕上がりに満足してますか?

これで満足してませんか?

完璧さを求めているなら、これで満足できるはずです。だって保育雑誌の通りにつくったもん。子どもの反応はどうですか?どうせなら、子どもが見たときに反応しやすい壁面装飾を作りませんか。
もっと反応のある壁面装飾の方が良いと思いませんか?

保育雑誌を元にした完璧な壁面装飾を越えましょう。上に書いた手順のどこを変えればよいかというと、9番です。作業の終わりの方ですね。保育雑誌の見本を参考に保育室の壁面に貼り付けていく、ここを変えます。どう変えるのかというと、保育雑誌の見本を参考にしないで保育室の壁面に貼り付けていく、にします。

保育雑誌に載っているのは、標準的な壁面装飾だと思います。だれが見てもきれいだな、かわいいな、良くできているなって思うんですね。

でも、それで終わりじゃないですか!?

越えましょう、この壁を。

となると、適当に貼れば良いのかと言えばそうでもありません。どう貼れば、子どもに反応を与えられるかなんです。

普通を壊す

子どもに反応させるには普通を壊すことです。壁面装飾の全体の中に、なんか不自然なところを1つでも作ってみます。赤い花が5つ並んでいます。全部赤い花ではなく、途中の4番目あたりを1つだけ青にしてみます。何でこれだけ青いんだろう…。病気なのかな?と考えなくてはいけませんね。

魚がみんな左側を向いて泳いでいるところを表現する場合もあるかと思います。一匹だけ、少し群れから離れて、右側を向かせます。子どもはどんな風に考えるでしょうか。

動物達が楽しそうに遊んでいるところを表現する場合。クマは笑顔、ウサギは笑顔、犬は笑顔、猫も笑顔。ネズミは笑顔じゃない!こんな感じで不自然なところを作ってみるのです。普通を壊すところ、いくらでも作れそうですよね。

ただ、あまり現実との違いを大きく誇張するのは良くないと思います。太陽が低い所にあるとか、食べられないものを食べているところとか、自然の法則に反することはやらない方が良いです。あり得るなってものを作りましょう。子どもが壁面を見たときに、何かを考えるはずです。

壁面を観賞用としてだけでなく、好奇心を刺激してあげる道具として使うわけですね。子どもと壁面との会話を、先生はこっそり見ておきましょう。もし、反応が薄いなら、ギャップが、つまり壊し方が足りないのかもしれません。

子どもの反応までが壁面装飾

間違い探しの絵ってありますよね。同じ絵だとしても、2つ並べていくつかの間違いを探すものとしたら、その絵はものすごく細部まで見られるんです。何か注意を必要とする部分をあえて取り入れることで、視線を集める場所ができます。そこを出発点として、なぜ違うのかその理由を探そうとします。その答えは、周りの壁面装飾にあるのではないかと考え、周りの装飾をよく見るでしょう。こういった反応を作り上げることができます。

壁面装飾は、作るまでが先生の仕事。今までは、貼りっぱなしで終わっていたかもしれません。本当は子どもがどう反応するかも含めて、壁面装飾はあるべきですよね。

あえて不完全を入れる壁面装飾を作ってみると、もっと保育室の壁面の価値が上がるのではないかと思います。

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