子どもへのご褒美は家庭内通貨「とうさん」が参考になる。
2020.05.15
子どものご褒美、家庭内通貨
家庭内通過っていいなと思いませんか?
家庭の中だけで使えるお金。通貨は信用とセット。だから家庭内通貨が成立するってことは、その家庭内の家族同士の信頼関係ができているってことなんだと思います。
家庭内通貨は子どもの教育に、そしてモチベーションアップにも効果がありそうです。子どものやる気を引き出すため。子どもにはエサを与えることも必要ですからね。つまりご褒美。
いずれ、お金の使い方も学んでいく子どもたち。そのスタートとしてもいいかもしれませんよね。
親ならみんな同じ気持ち
親なら、子どもには他の子に負けないで欲しいと思うもの。そう思わない親なんていないと思います。自分は周りの人と比べてどうなのかと言えば、けっこう負けちゃっているわけですけど、子どもへの期待は自分のことをさておき、どうにか優越感の中で生きて行って欲しいと思うんです。
これは親としての本能だと思います。人間だけじゃなく動物だって同じ。「獅子の子落とし」なんて言葉もありますから。子どもがたくましく生きるように教育する。
つまりどこの親だって思いは同じ。だからこそ難しい。みんながそう思っている中で、負けないようにするには、他の子と同じようにやっていてもダメな気がするんですよ。
どうやったら、他の子に負けない子に育つのでしょう。
その方法がわかったら、子育ては楽な気がする。何より楽しいものになりそうです。そこで使えそうなのが「家庭内通貨」じゃないかと思います。
とうさん
最近はネットである記事を読みました。そうです、「家庭内通貨」のお話です。
あるお坊さんの話。子どもが2人いて、子どもの頑張りに対して、ご褒美をあげる。ご褒美はお金の代わりに家庭内通貨をお父さんがあげるんです。その家庭内通貨の名前が「とうさん」。
子どもたちはその「とうさん」が欲しいので頑張る。子どもの頑張りを形にするのが「とうさん」なんです。「とうさん」が貯まったら実際のお金と換金。そして、好きなものを買うことができる。
とうさんは考え方が違う
以前、このブログでこんな記事も書きました。
子どもを物で釣るモチベーションの上げ方は悪いこと?
実は私も似たようなこと(子どもの頑張りに対してご褒美をあげること)をやっていたので、「とうさん」の記事も同じことやっている人がいるって感じで読んでみたんです。でもこれがビックリ。
全然違った…
はっきり言って私のやり方は間違っていたと反省です。
子どもにご褒美をあげて勉強とか、習い事とか頑張らせる。その点は似ているかもしれない。でも、全然違う。考え方が違うんですね。これが勉強になりました。
ご褒美についてだけでなく、子どもを他の子に負けないように頑張らせたいと思うお父さんやお母さんがいたら、きっと参考になると思うので、「とうさん」の優れているところをご紹介したいと思います。
ご褒美で効果を上げるには
家庭内通貨を導入して子どものモチベーションを上げる。それだけを考えて、ご褒美や家庭内通貨を導入すると、効果が薄いかもしれません。「とうさん」から学べることはとても大事なことのように思います。
まず、ダメな私のやり方。例えば、子どもに1ページひらがなのドリルなんかをやらせる。そのときに、1日1ページやると決めます。やったら、シールをカレンダーに貼るなどして、例えば20個たまったら、実際のお金である100円玉と交換です。これが私のやった方法。
確かに効果はありました。子どもはやる気を見せました。何もご褒美がなかったら、絶対ここまでやらないだろうなと思うぐらい。
これがいわゆる「ご褒美の効果」ですよね。
ところが「とうさん」は似ているようで違います。「とうさん」はドリルを1ページとは固定しないんです。ご褒美の対象がいつも同じとは限りません。お父さんが感動した分だけご褒美をあげる。具体的に言うと、子どもが新聞紙でピラミッドを作ったら、1とうさん。魚釣りに行ってはじめて魚が釣れたら、5とうさん。
似ているようで違います。何が違うんでしょうか。
そうなんです。勉強に限らず、「とうさん」はあらゆる頑張りに対して与えられること。その基準はお父さんの「感動の度合い」なんですね。
ご褒美は変動してもいい
ドリルを1ページやって、1とうさんと決めてしまった私。子どもは1ページやると満足するんですよね。最初はそれで親は感動するかもしれない。でも、だんだん変わって来ます。1ページは子どもにとって普通にできることになって行きますからね。だから、1ページやっただけでは、いつの間にか、親は感動できなくなってしまいます。
とは言っても、一度決めた約束だから、1ページやったら子どもは終わりだと思うし、それに約束通りのご褒美をあげなきゃいけないと親も思う。
ところが違うんですね。「とうさん」の場合。
「とうさん」は、感動の度合いが基準だから、与える「とうさん」の量を減らすんですね。「とうさん」は勉強以外の他のことでももらえるわけだから、それと比較してみて、簡単にできるものなら価値を下げてしまう。これはなかなかできない発想だと思います。約束を破るみたいですから。
でも、ちゃんと説明して子どもにも納得させるそうです。
昨日の感動は消えない
勉強じゃないことにも「とうさん」が与えられることがポイントですよね。「とうさん」を作り実践されたお坊さんは、「家庭内通貨は勉強や成績と関連づけない方がいい」と言っています。その通りだなと思います。「強制にならないこと」が大事なんだそうです。
私なら、なんか悪いことしたり、勉強をサボったら、以前あげたご褒美でも取り上げるかもしれません。その考え方も根底から違うんですよね。ご褒美をあげたってことは、感動したことの証明。たとえ、今日勉強しなくても、昨日の感動はなくならないんです。
とうさんの効果
結局、この「とうさん」と名付けられた家庭内通貨は、どうも子どもの得意分野の発見やそれへの挑戦を後押しするようです。強制ではなく自主性が認められる頑張りだから自然とそうなるんだと思います。
実際に「とうさん」はお子さんが幼稚園のときに始められ、やがてそのお子さんは国立大学の工学部へ進学されたそうです。
子どものやる気を引き出すために、家庭内通貨を使ってみる価値はあると思います。そして、そのときの考え方を、とうさんが教えてくれています。
まとめ
ポイントをまとめると、重要な点は、
- 親の感動によって与えられるご褒美の量は変動する。
- 勉強や成績だけでなく、いろんなことで与える。
- 同じことをしても、親の感動の度合いが下がったら、与えるご褒美の量も減らす。
- 子どもも納得するように説明責任を果たす。
- 一度あげたら取り上げることはしない。
このポイントを意識できているだけで、全然効果が違うような気がするんですよね。それから、冒頭に言ったように家庭内通貨の前提として、親子の間での信頼関係がなければ成立しないってことが重要です。
私も子どものモチベーションアップに「とうさん」を参考にしたいと思います。