保育雑誌の使い方間違ってるよ。壁面装飾は言葉でありメッセージだから。

  2020.05.18

幼稚園・保育園

保育雑誌の使い方間違ってるよ。壁面装飾は言葉でありメッセージだから。

保育雑誌はどう使う?

幼稚園や保育園の壁面装飾を作るとき、参考になるのがプリプリやピコロといった保育雑誌です。保育雑誌にはいろんな壁面を装飾するパターンが載っています。写真もありますから参考にすると作りやすいと思います。

ただ、プリプリやピコロをマニュアルだと思っていませんか。

とても役に立つ雑誌であることは確かですが、壁面装飾を作るためのマニュアルではありません。

大きな勘違いをしている先生はいないでしょうか。

クリエィティブな壁面装飾

プリプリは世界文化社が発行しています。ピコロは学研が発行しています。どちらも民間の企業が作っているものです。文部科学省が作っているわけではないのです。だから、参考書としてはすごく役に立つわけではありますが、この通りにやらなければいけないなんてことではありませんよね。

それはそうかもしれないけど、じゃあどうやって作るの?ってなりますよね。

すべて、最初から作るのは無駄なこと。マネして作った方が楽。それはそれで正しいと思います。一から作るなんてことをやる必要はありません。

マネしながら自分の思いも込められれば良いと思います。自分の思いと世界文化社の思いが同じならまったく同じで良いと思います。

本当に同じでしょうか?

クラスが異なれば、そこにいる子ども達が違うわけです。個人には個性があるように、クラスにも個性があるはずです。その個性に沿って、先生が考える思いにもまた個性があるべきではないかと思うんです。壁面装飾はもっとクリエイティブなものであって良いと思っています。自分のアイディアをもっと注ぎ込むもの。

先生はクリエイティブ

ほとんどの先生はクリエイティブです。クリエイティブな部分がない人は先生にはなれません。幼稚園や保育園が認めて先生となっているんですから、先生であればクリエイティブなのです。でも、そのクリエイティブな部分をあまり活かしていない先生が多い。

もう1つ重要なことは、保育がマニュアル通りではうまくいかないことをほとんどの先生は知っています。保育について学校で学んできたわけですが、その通りにさえやっていればうまくいくなら苦労しません。ロボットを相手にするのなら、うまくいくでしょう。園にいる相手は人間であって、幼い子どもなんですもの。

マニュアル通りではうまくいかない

子どもに対して言葉をかけるとき、どうでしょうか。

想像してみてください。

同じことをさせたい、同じことを伝えたい場合でも、相手によって言葉を変えるのではないでしょうか。どう伝えたら、あの子は納得してくれるのかを考えませんか。

子どもに対して言葉を選んでいるはずです。1人1人に合った方法がある。純粋な子どもは言葉1つでも、いろんな影響を受けやすいんです。

意識的にか、無意識にかは別として、先生はおそらく、言葉選びをうまく使って、子どもの気持ちを動かしてると思います。言葉巧みに子どもを動かしているのです。

壁面装飾は言葉と同じ

では、壁面装飾はどうでしょうか。

壁面装飾に言葉は必要ありません。だから、壁面装飾が子どもに影響を与えることなんか無理なんでしょうか。私はそうは思いません。保育室で子どもが壁面に向かって立てば、先生がいなくても壁面装飾と子どもとの関係は作られます。

先生が言葉で伝えるよりも力は弱いかもしれませんが、壁面は子どもに影響を与えるのです。子どもにとっては、見るもの聞くものすべてに影響を受けると考えた方が良いのではないでしょうか。

そう考えると、壁面装飾は言葉であり、メッセージです。

言葉で伝えるときには言葉を選ぶ先生。ところが壁面装飾に関しては何も選んでいません。選ぶとすれば、ピコロにするか、プリプリにするかぐらい。保育雑誌の中の写真を選ぶくらい。もっと積極的に選ぶことをしてみても良いのではないでしょうか。

子どもに対して言葉を選ぶときに、どうしますか?

わざわざ、国語辞典を持ってきますか?

ことわざや偉い人の名言とか調べますか?

しませんよね…。

言葉は先生の中にある言葉が使われています。先生の言葉をつなぎ合わせて、文章にして、子どもに伝えているはずです。なぜ辞書を調べないのかは、その言葉だけで十分だからなんですね。それだけでも子どもに十分伝わります。

ここで大事なのは、どの言葉を使うか、どう文章としてつなげるかです。実は、それは壁面装飾も同じなんです。

新しいものを調べたりすることなんかありません。実際のところ、プリプリもピコロもほとんど新しいことはやっていません。色画用紙を基本にして、切って貼って壁面装飾を作っています。今までに使われていない材料を探して、作ってみるなんてことは芸術家のやることですよ。園で必要なのは、プリプリやピコロに載っている素材を参考にして、それをどう配置するかなんですね。

もうおわかりだと思いますが、どう配置するかは、先生が考えることです。何をもとに考えますか?保育雑誌ではないのです。

先生が日頃接している子ども達をもとにして考えます。言葉を選ぶのと同じで、そのクラスの個性をよく考えて、配置を考えて、工夫を入れていく。これが、保育雑誌をマニュアルとしてではなく、参考書として使うってことなんですね。

全体をどうデザインするか

ぜひ一度で良いので、真剣に壁面をデザインしてみましょう。

実は壁面装飾ではそのデザインがとても大事だってことに気づかれるのではないかと思います。それと同時に1つ1つの動物やお花などの装飾は、できるだけ標準的なものが良いと気づかれるのではないでしょうか。子どもが見たときに、クマだとか、ウサギだとかがわかれば良いのです。そこには新しいアイディアなんかいらないと思います。

壁面を使って、子ども達に何をどう伝えるかが大事で、そのためにどうデザインするかが壁面装飾のポイントなんですね。先生が持つクリエイティブを使うところはそこです。そこが先生が果たすべき役割ではないでしょうか。

私達は壁面装飾を通して先生のお役に立てないかと思っています。素材作りで先生をお手伝いできないかと思い、販売を始めました。先生には素材を選んでいただき、それによって子どもにあった壁面のデザインを考えていただければと思います。

壁面装飾の素材作りに時間を取られることなく、デザインに集中できると思うのです。

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