改善もなく、去年と同じことをやる幼稚園が多い理由がわかった。

  2020.05.18

幼稚園・保育園

去年と同じことをやる幼稚園が改善しようとしない理由とその対策。

どうせ去年と同じ

どうせ去年と同じでしょ!?去年見に行ったからもういいや。

子どもが幼稚園に通うのは2~3年、運動会も生活発表会も2~3回あるわけですが、毎年同じことを繰り返している幼稚園が多いのではないでしょうか。じゃあ、どう変えるの?となると、まあ運動会や生活発表会のような大きなイベントは仕方ないかと思うんですが、日々の変化は意識した方がいいんじゃないかと思うんですよね。変わらなすぎると、子どもを預ける保護者の関心も薄れてきてしまいます。入園したばかりの年少のときは親も一生懸命。年中になったらさっぱりってこともあります。

子どもはもちろん幼稚園に慣れてきますし、親の関心も薄れてきて、尻つぼみの園生活ってなんかさみしくないですか?

日々の改善してますか?

運動会は、玉入れ、かけっこ、綱引きなど、決まった種目があるから結局同じようなことをやることになりますね。見に来る保護者の方も、それを見に来るわけですから、決まった種目で良いと思います。気になるのは日々の変化なんです。日々の改善です。幼稚園の保育を良いものにして行こう!みたいな意識って、なんか低いなと思いませんか?

幼稚園は良い方向に変えていこうといった意識が低い業界だと思います。しかもかなり低い業界だと思います。今のままで十分、来年も同じようにやればいい。そんな先生が多い気がするのは私だけでしょうか。

この風潮は、日々の活動の中でも出てきます。例えば、月の行事の企画について話し合っているときに、去年こうやったから同じようにやろうという意見が出たりします。そして、実際にちょっとアレンジを加えるかもしれないけど、ほとんど去年と同じようになる。

でも、これならまだいいんです。もっとひどいのは、意見が出るまでもなく、前年のやり方をすることが前提になって進み始める幼稚園。去年と全く同じにすることが正解。これって本当に正解!?

企業の改善のやり方

幼稚園の外の世界を見てみると、他の企業では、かなり一生懸命改善に取り組んでいます。社員に対して宿題のような感じで、改善点を出させるような会社もあります。なんか不便だなとか、こうしたらもっと効率が良いのにとか、そう思ったときに出せばいいような気がするんですが、宿題にしてまで強制的に改善させるんですね。なぜ、ここまでして改善しようとするのでしょう。

それは、そこまで意識しないと改善できないからなんですね。

少しでも実績があると、人も組織も今までの方法を変えたがらないものです。変わることには不安が伴います。だから、変わらないようにしたいと思うのです。いつの間にか、それが一番だって思ってしまうこともあります。人間は保守的なんですね。でも、実際は違います。どれだけ改善したとしても、もっと良くなる部分が必ずあるはずなんです。それを変えられるかは勇気も必要です。むやみに勇気なんか使いたくありません。だから、普通にしてたら絶対に変わらない。つまり改善しないものなのです。

幼稚園が変わらない理由

幼稚園の場合は、さらに変わりにくい要素を持っていると思います。それはお金の面です。幼稚園のお金の入り方を考えてみてください。

幼稚園の収入は何ですか?

園児の保護者からいただく保育料が主な収入ですよね。これって毎月入って来るお金です。しかも決まった金額で。途中から入ったり、出たりする園児もいるので、いくらかは変わりますが、ほとんど変わりませんよね。4月の時点では大体の1年間の収入がわかってしまいます。その金額は年度の途中から大きく増えることもないし、逆に大きく減ることもないんですね。1学期にものすごく先生たちが頑張ったからと言って、2学期の収入が増えるなんてことはないんです。

これってどういうことだと思いますか?

普通の人だったら、一生懸命やったって意味がないって思う。そうですよね。偉人になるような立派な人じゃない限り、普通はそう思うでしょ!?お金のことを先生方、個人個人にまでオープンにしているかは幼稚園によりますが、経営者としてはそんな感じじゃないかと思うんですね。だから、少しぐらい変わったって、もうかるわけじゃないし、来年も同じぐらいの数の園児が来て、同じぐらいの収入があればいいと思っている。その風潮が幼稚園全体に伝わっているのです。

変えるのは経営者

幼稚園に限らず、企業でも変わろうとしたがらないと先ほど言いましたが、それでも変えようとするのは来月の売り上げが減ってしまっては大変だからです。だから企業は変わろうとする。でも、幼稚園は来月も今月と同じ金額が入って来る。だから変わろうとしない。企業の場合も現場の社員が変えようとはしません。じゃあ、どうするか。

経営者が変えなければいけません!

変えよう、改善していこうとするのは経営者です。経営側が動かなければ改善されることはありません。幼稚園の経営者は改善する意識が低いと思うんです。もっと積極的に現場からの声を広い、改善を続けていかなければいけないと思います。

幼稚園が変わりにくいもう1つの理由

幼稚園が変わりにくい要素はもう1つあります。ここまでは変えようとしない幼稚園について書きましたが、変えたくても変えられない幼稚園もあります。改善するためにはもう1つの問題をクリアしなければなりません。これも幼稚園ならではの問題。

それは上下関係なんですね。

改善しようと取り組んでいる幼稚園もあると思うんです。ところが、なかなか変わらないのではないでしょうか。一度は変えてみたけど、少し経つとまた元通りとか。そこには上下関係の問題があることが多いのです。

例えば、先生方の会議の中で改善案をそれぞれの先生に出してもらうとします。どの先生から良い案が出るでしょう。

良い案を出す先生は大体決まっています。それは新人の先生です。斬新なアイディアを出せるのは、まだそこで働いた日の浅い新しい先生が出すことが多いのです。誰が見ても素晴らしい意見が出された。ところが、それを実践するには大きな障害があります。会議の後に、良い案を出した先生はどうなるでしょうか。女性の多い幼稚園という職場。先生なら想像つくとは思いますが、これ以上は言わないことにします。

その後、その先生は、もう二度と良い案を出すことはなくなるでしょう。

少なくとも若いうちは。なるべく目立たないようにしようと思います。これで改善の機会は失われてしまいました。つまり、女性の多い幼稚園ならではの問題なのですが、だれもが声を上げられる環境ではないと思うんですね。幼稚園の中での先輩、後輩の関係は、良い効果を期待できません。何かあったとき、先生方は直接、園長に相談するのではないでしょうか。はっきり言うと、先輩が怖いから、あてにならないから園長に相談しているんです。

このままで良いとは思いません。どうにかしなければいけません。

現場のヒアリング

私が提案したいのは、園長がやるか、それとも専任の先生を作るか、いずれにしても現場から改善案を拾う役割が必要です。1人1人の先生と話す時間を定期的に設け、現場の声を拾う役割。会議で話し合うことは無駄です。よほど積極的な人が集まっている会議とか、外国人ばかりの会議じゃないと、日本人なら普通は遠慮するし、意見があっても言わないのです。そして、幼稚園の場合は上下関係もある。ですから、最も良い方法は現場のヒアリングなんですね。

これで幼稚園に改善する体制が整います。それでも変わりにくいものなんです。どれだけ、変えよう、良くしていこうといった意識を強く持てるかが大事なんです。今日よりも明日、今月よりも来月、今年よりも来年の方が絶対良くなってなきゃいけない。そんな気持ちを幼稚園で働く人、全員が持つことで変わって行くと思います。

まとめ

幼稚園には変わりにくい理由がある。変えるためには経営者の強い意識が必要。さらに現場からの意見をヒアリングで拾うことが効果的です。日々の改善を進め、保護者の幼稚園に対する関心の下がらない幼稚園を目指しましょう!

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