将来の夢を「幼稚園の先生」と言う子どもが不幸になる悲しい現実。

  2020.05.15

幼稚園・保育園

将来の夢を「幼稚園の先生」と言う子どもが不幸になる悲しい現実。

将来の夢

将来を夢見る子ども達。いろんな夢があって日本の将来は明るいな~って思います。どんな夢が持っているか知ってますか?

幼稚園の先生…。

幼い子の将来の夢の調査では、これがいつも上位に来るんですね。

間違いなく、まだ狭い範囲で生きていることの表れであって、どれだけたくさんの職業とか職種があるのか知らない子ども達が多いんだと思います。幼稚園に通う幼児なら、先生は身近な存在だし、大好きな人ですからね。そんな影響も大きいと思います。

幼稚園の先生は幸せ?

理由はどうであれ、先生からしてみたら、自分の職業が将来の夢と言ってもらえるなんてうれしいことじゃないですか。なりたい人が多い職業に私は就いているんだって思うと、ちょっとした優越感。みんなが私を目指しているとまで言うと大げさですけど、私も幼稚園教諭を経験した1人として誇らしく思います。

そう思いつつも、そんな子ども達がかわいそうに思えるのは私だけでしょうか。

先生をしている人たちに聞いてみたいことがあります。

幼稚園の先生は幸せでしょうか。

子どもの夢を壊すようなことが目的ではありませんが、先生を目指す子どもの将来を考えると、とても幸せとは言い難いような気がするんです。

幼稚園の先生を目指すということ

1人の子が幼稚園の先生を夢見て、人生を歩んでいくことを想像してみます。先生になりたいから、そのために必要な教育課程を進む必要がありますね。大学や短大に行って、幼児教育のことを学び、教育実習もやって、資格を手に入れます。

幼稚園に就職が決まれば、晴れて先生の仲間入り。夢がかなった瞬間です。おめでとうございます。おめでたいことです、ここまでは。

問題はこの後です。

幼稚園の先生を目指さなかった人はどんな人生を歩むのか。当然ですが先生になるための特別な過程に進むことなく、大学に行って就職する人も多いと思います。就職先が決まるのは大学の4年生の頃。二十歳を過ぎて、もう完全に大人です。

一方、幼稚園の先生を目指した場合は、すでに高校卒業と同時に進路はかなり絞られますよね。ここのタイミングでもう道は狭くなってしまいるんです。

それでも幼稚園の先生の道を歩もうとするのなら、強い意志を持っている証拠ですね。

就職後の歩み方

さて、問題は幼稚園に就職した後なわけですが、どんなことが待っているでしょうか。とくに1年目、とにかく毎日がつらい。私もそうでした。1年目ってものすごくハードに感じるのではないかと思います。それはどの仕事でも同じだと思いますが、体も慣れていないし、覚えることもたくさんある。それでも一年目から担任になったりします。

毎日疲れるんですよね。私と一緒に入った同期の先生も1年目で辞めてしまいました。夢がかなっても現実はハードだなんて知らないですから、気持ちが折れてしまうこともあります。

でも、実際は2年目になると、だいぶ変わってきます。体もいくらかは楽になるし、行事なども去年やってるから大体知ってる、精神的に余裕が生まれてくるんだと思います。こうして何年か経った頃、先生はどう思うでしょうか。

やめようかな~。

とにかく忙しく一生懸命働いてきた何年間かを振り返りながら、ため息まじりにそう思います。なぜ、そんなことを思うのでしょうか。それは、仕事の量とお金のアンバランスから生まれるのではないかと思います。

あこがれていいもの?

幼稚園の先生という職業が、子どものあこがれる職業であっていいのでしょうか。私は疑問を抱いてしまいます。

たしかにやりがいのある仕事だと思います。ただ、やりがいがあれば良いなんて思えるのは最初だけです。だんだんとお金の面が気になり始めます。

最初は安い給料でも仕方ない、でも、勤務年数に応じて、上がって行かなきゃいけないものです。だって園に対してそれだけの貢献をしているんですから。それが、ほんの少しの昇給だと、このまま働いていてもいいのか、自分の生き方を疑ってしまいます。

もし、幼稚園の頃にすでに先生になることが夢で、その道をあきらめずに夢をかなえた先生がいたとしたら、苦渋の決断だと思います。誰だって、自分の過去を否定するなんてしたくありません。現実にぶつかって、本当に目指すべきものが何だったのかわからなくなる。そんな先生が出てきてしまうのが今の幼稚園業界ではないかと思います。

本当は大切にしたい自分の過去を否定してまで、先生は退職してしまうのです。本当は先生の仕事を続けたいかもしれません。子どもとこれほどまでに密接にかかわる仕事は他にないですからね。でも、できない。これ以上やっていても時間の無駄。やりたいことをやれない社会ってどうなんでしょうか。

夢を裏切る社会に問題がある

将来、幼稚園の先生になりたいと無邪気に思う子の気持ちはやがて跡形もなく消えてしまう。こんな社会で良いとは思えないんですね。夢がかなったとたんつらくなる人生なんてあって良いとは思えないのです。

幼稚園の先生を夢見た子どもが悪いのか、そうではありませんよね。憧れの職業は、価値の高い職業であるべきなんです。だから変えなきゃいけないんじゃないかと思います。

幼稚園の先生は、もっと先生になるまでの道のりが大変でもいいから、価値のある職業になるべきだと思います。

子ども・子育て支援新制度は…

世の中の流れはどうでしょうか。子どもを大切に考えようしている。幼児教育に力を入れようとしているんですよね。ところが、大事なことに目が向けられていないんです。

今、幼児教育は変わろうとしています。2015年から、子ども・子育て支援新制度が導入されました。これって何かと言えば、家庭向けの政策なんです。どの子にも平等に教育を受けるようにするのがねらいだと思います。あるいは女性の社会進出とか。

それは1つの方向としてあって良いのですが、教育の質はどうでしょうか。園に通う子どもを増やすとどうなるでしょうか。保育の品質は上がるでしょうか、下がるでしょうか?

新制度の導入には、幼稚園側の改革も視野に入れる必要があると思います。先生方の給料が、今と同じでは、すぐに退職するんですね。それでは保育の質は上がって行きませんよね。幼稚園の先生に関する視点が曖昧です。

新制度の導入には、なぜ幼児教育が大事なのかが抜けている気がしてなりません。もっと根本的に変えなきゃいけないのではないかと思うんですよ。

少し話がそれたかもしれませんが、子どもの夢はかなえてあげたいものです。好きなことを職業にできる権利を大事にしなければいけません。夢をかなえるまでは自分の努力で何とかなるかもしれません。

でも、その先を保障できるかは社会の仕組みの問題だと思います。簡単に夢をあきらめる人が多い中で、子どもの頃からの夢を背負って、夢をかなえる人が、それなりの幸福を感じられる社会を実現できないものでしょうか。

まとめ

幼稚園の先生になりたい子どもがいるが、今の幼稚園や先生のあり方では、夢がかなった後に苦しむ仕組みである。新制度では、保育の質や幼稚園の先生がどうあるべきかまで考えらているのか疑問です。

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