幼稚園の生活発表会で劇をやるときの題材の選び方のポイント。

  2020.05.15

幼稚園・保育園

幼稚園の生活発表会で劇をやるときの題材の選び方。

幼稚園の生活発表会

生活発表会は幼稚園の一年間の行事の中でも一際大きく、幼稚園全体としても力の入るものです。子どもにとっても思い出として忘れられないものとなるでしょう。親にとっても期待の大きなイベントですね。

そして誰より先生も力が入ります。

年中や年長のクラスでは、劇に挑戦することもあると思うんです。子どもは何を演じてもかわいいもの。でも先生からするとかわいいだけでは終われません。成功させたいと強く思います。

その成功のために重要なのが劇の題材を何にするか、題材の選び方です。

幼稚園の生活発表会の題材選びのポイント

最初に質問させてください。「おおきなかぶ」は知ってますよね?

この本を題材に劇をするってどう思いますか?

幼稚園児が生活発表会で劇をやるとして、良い題材だと思いますか?

その答えはこれから書きたいと思います。

生活発表会で劇をやるなら、どんな題材が良いか。私の経験上ではポイントが3つあります。

新人の先生など、参考になればと思って書きたいと思います。

わかりやすいストーリー

まず最初のポイントは、ストーリーがはっきりしていてわかりやすいものです。設定がわかりやすくて、登場人物もわかりやすくて、話の流れもシンプル。そして結末もわかりやすい。これがおすすめです。

ここで言う「わかりやすさ」は劇を見ている人にとってのわかりやすさです。

同じストーリーでも、絵本として読んだときと、劇でやる場合とでは、見ている側の感じ方が違います。絵本で読んでみていいかもと思っても、ストーリーが明確でないものは避けた方が良いと思います。

この点から言うと、「おおきなかぶ」のお話しは、はっきりしていますよね。

おじいさんが種をまくところから始まって、登場人物がはっきりしていますよね。頑張るけど、抜けなくて、どんどん人が増え、動物も増えていきます。「うんとこしょ、どっこいしょ」の掛け声も良いアクセントとして繰り返されます。そして、最後はかぶが抜けてハッピーエンド。このわかりやすさが、生活発表会には向いています。

みんなで協力して何かを成し遂げるとか、正義が悪い鬼をやっつけるとか、定番中の定番ぐらいの方がわかりやすくていいんです。

最近の流行りを追いかけて、ディズニーの映画なんかを題材にすると、大抵は失敗します。ストーリーや設定が複雑すぎて難しいんです。

有名な本はどうなの?

「おおきなかぶ」は良いお話であるのは確かなのですが、気になる点があると思います。生活発表会の劇の題材にふさわしいかにも関わってきます。

それは知名度の点です。それが2つ目のポイントです。2つ目のポイントとしてあげたいのは、知名度なんです。

「おおきなかぶ」はあまりにも有名すぎます。もし「おおきなかぶ」の劇をやったら、見に来た人で知らない人はいないと思います。もし、「おおきなかぶ」が無名な本だったら、先生は何も気にならないと思うんです。

生活発表会では、誰もが知っているお話を避ける傾向があるんですね。私もそうでした。どんな劇にしようかと考えると、できるだけ「新刊、新刊」みたいな感じで、新しいお話を探していました。せっかく見に来るお父さんやお母さんに、できるだけ新鮮さを感じてもらいたいと思っていました。

幼稚園は家庭とは別の空間です。なので、なるべく家庭では見たことがないものの方が良い。園内で一から作り上げることで、評価されると思っていました。

でも、これは間違いだったと思います。

私は親になって、自分の子どもの生活発表会を保護者として見に行って、はじめてそれに気づきました。

見ている人がすでに知っているお話の方がいいんです。

はじめて聞く話よりも知っている話。その方が、自分の子どもの役どころとか、動きとかに集中できるんです。保護者はやっぱり自分の子どもを見に行っています。次の展開が予想できていて、どこらへんで自分の子どもが活躍するのかもわかる。その方が見ている親は楽です。

この点を考えると、「おおきなかぶ」はやっぱり良い題材です。

「おおきなかぶ」の劇をやると聞いて、「な~んだ、知ってるからつまんない」と言う親はいません。絶対にいません。「何の役をやるの?」って子どもに聞きたくなります。そこが新作と違ういいところってことなんです。

子どもが好きなお話

3つ目のポイントは、子どもが好きなお話であることです。このポイントが最も大事だと思います。子どもが好きなものでなければいけない理由は説明するまでもありませんね。

子ども達がやる気を出して、一生懸命取り組むには、その対象が好きなものでないといけないんですよね。子どもが好きな題材を選んでください。

でも、子どもが好きかどうか、先生はどうやって見分ければ良いでしょうか?

何冊か本屋さんから買ってきて、子どもに1冊ずつ読んで聞かせて、反応を確認するのでしょうか。

それでも良いと思います。でも、ストーリーのはっきりしているものでなければいけませんよ。探してくるのも大変かもしれません。

子どものため、生活発表会の成功のためなら頑張れると言うなら、それで良いと思います。ただ、もっと良い方法があります。もっと、簡単で確実な方法です。

それは、子どもが好きな本を作ってしまうことなんです。

子どもの好きな本の作り方

子どもの好きな本を作るってどういうこと?

子どもが好きな本の作り方はこうです。先生はストーリーのはっきりしている、有名な本を一冊だけ選びます。もちろん、選ぶ時点で子どもが好きかどうかはわかりません。わからなくて当然。それでも、決めてしまいます。

そして、子ども達に読み聞かせます。反応を気にする必要はありません。でも、ストーリーがわかりやすい話なら子ども達は理解できるでしょう。この時点ではまだまだ好きな本とは言い難い状況です。それでOKです。

この一冊の本を子ども達に何度も何度も読み聞かせます。子どもが覚えてしまうぐらいに繰り返します。しつこいくらい繰り返します。すると、正確には「好き」というのかわかりませんが、子どもにとっては、ものすごく存在感のある一冊になっています。少なくとも愛着のある本になって、登場人物も身近に感じてくるのです。

ここまでくれば、もう生活発表会の劇は成功間違いなしです。

練習する子達を想像してみてください。子ども達はお話の内容を十分すぎるほど理解しています。役を決めるにしても、場面を説明するにしても、セリフの順番を教えるにしても、子ども達はすでによく知っています。練習もスムーズに進みます。

幼稚園の生活発表会の劇は、先生のアレンジも加わります。本の中の役とクラスの人数がピッタリなんてことはまずありません。どうアレンジするのかを子どもに考えさせることもできます。この場面ではどんなセリフを増やすかを考えさせることもできます。それは内容をちゃんと理解できていないと無理なことなんですね。

クラスにピッタリの1冊を

生活発表会の劇を成功させるためのポイント3つ書きました。

これを実践するための注意点は、少し時間が必要なことなんです。早めに今年のメインの一冊を選ばなければいけません。また、もし、上手く行ったとしても、別のクラスで同じ本を題材に劇をすることはやめるべきです。

普通は一回目を超えることはできません。そのクラスのイメージにピッタリのものを毎年選ぶ必要があります。その本を見ると、あの子達を思い出すという本になると良いと思います。

それは逆に、子ども達にとっても、あの本を見るとあの先生を思い出すというような一冊になります。そういう本がクラスに一冊あるって素敵なことだと思いませんか?

生活発表会の劇は、子ども達の良い思い出になります。成功のポイントを意識して、先生も子ども達も見に来た家族にとっても最高の思い出になることを願っています。

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